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葉限の魚

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第二章

 日に日に大きくなりすぐに盆の中では収まりきれなくなり姉妹は魚を家の庭にある池に放ってそこで飼う様になった、二人以外が近くに寄っても顔を出さず二人が出ると顔を出て餌を貰っていいた、
 このことに二人は喜んでいたがやがて葉限は自分にとっては継母、華限にとっては実の母である彼女が池の方を憎々し気に見ているのを見て姉に囁いた。
「姉さん、どうやらお義母様が」
「どうしたの?」
「私達というか私がお魚を可愛がってると思って」
「また貴女に嫌がらせをしようとしているの」
「そうみたいだけれど」
「私もあのお魚を飼ってるのに」
「それよりも私が憎いみたいなの」
 このことを見抜いてだ、姉に話すのだった。
「どうやら」
「それは困ったわね」
「もうお家のお池でも飼えない」
「じゃあどうしようかしら」
「裏のお池で飼おうかしら」
「けれどあそこは大きな亀がいて」
 それでとだ、姉は妹に怪訝な顔で言った。
「お魚を食べるわよ」
「それもそうね」
「けれどお魚をお母様からの嫌がらせから守るには」
「どうしようかしら」
 二人でどうしようかと考えていたが継母は葉限が気付いたその日にだった。
 実の母娘だけあって背丈が似ている華限の部屋に忍び込んで彼女の服を着て池の方に行ってそのうえでだった。
 魚が主のうちの一人が来たと見て顔を出したところを素早く捕まえて厨房に入って見事な手際で捌いて煮て食べてしまった。そして骨はゴミ捨て場に捨てて後は知らぬ顔をしていたが。
 その日の夕方葉限は華限と共に池の方に行っても魚が顔を出さないのでこれはと思って姉に真っ青になった顔で言った。
「姉さん、ここは」
「あの、お魚がいないのは」
「お義母様が食べたのよ」
 そうしたというのだ。
「だからいないのよ」
「まさか」
「いえ、間違いないわ」
「けれどもうしたなんて」
「ゴミ捨て場に行けばわかるわ」
 こう言ってだった、葉限は姉の小さな手を取ってそうしてゴミ捨て場に行った、するとそこにだった。
 大きな魚の骨があった、それを見た二人は真相を察してその場で泣き崩れたがそこで骨が言ってきた。
「二人共大丈夫だよ」
「えっ、骨が喋ったわ」
「そうよね」
 葉限も華限もこのことに目を丸くさせた。
「どういう訳か」
「そうしてきたわね」
「これはまた」
「どういうことかしら」
「いや、僕は実は霊力を持っている魚だったんだよ」
 骨は自分が喋ったことに驚く二人にさらに話した。 
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