| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ヘタリア大帝国

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

TURN21 富嶽その七

「その数は非常に少ないです」
「わかっているのは四国のあの大怪獣と」
「そしてエアザウナですね」
「三匹だけですか」
「いえ、確か北欧にサラマンダーというものがいましたが」
「あれは伝説です」
 エルミーはサラマンダーについてはこう答えた。
「もう存在していないでしょう」
「そうですか」
「はい、死んだ筈です」
 伝説だからだ。そうだというのだ。
「いるとは思えません。後は」
「ニガヨモギというものがいたでしょうか」
「ニガヨモギ?」
「ソビエトにいると聞いていますが」
 日本は少し怪訝な顔になってエルミーに答えた。
「噂でしょうか」
「ソビエトの冬は非常に厳しいですが」
 その寒さがそのまま国土を守っている。ソビエトはそうした国だ。
 だがそこに大怪獣がいるのではとだ。日本は言うのだった。
「それに加えてですね」
「ニガヨモギというものもいるのでは」
「それもまた大怪獣だと」
「そうです。ではです」
 それではだというのだ。
 ここでエルミーは日本の話と踏まえてだ。そして述べたのだった。
「大怪獣は存在が確認されていないものも含めて五匹ですか」
「そうなります」
「五匹がそれぞれ種類が違うのですか」
「繁殖もわかっていません」
 それもだというのだ。
「富嶽は日本からシベリアにかけて遊泳していますが」
「存在が確認されるのは一匹だけですか」
「しかも私達が知らない独自の航路を使っている可能性があります」
「独自のですか」
「これはエアザウナも同じですが彼等は急に出てきます」
 いつもだ。そうだというのだ。
「人間では行き来できないルートを使ってです」
「そうしてですか」
「シベリア、日本を行き来している様です」
「一匹だけで」
「尚且つ大怪獣はそれぞれの種類が違う可能性が高いです」
 日本はエルミーにこのことも話した。
「少なくとも存在が確実な三匹の種類はそれぞれ違いますね」
「はい、確かに」
「寿命が桁違いに長いのか繁殖する必要がないのか」
「謎に満ちた生物ではありますね」
「帝の御意志には反応しますし」
「帝のお考えに反応するとなると」
 ここでだ。エルミーはふと思った。そしてその思ったことを日本に話した。
「若しかしてですけれど」
「若しかしてとは?」
「あの富嶽は操ることが可能なのでしょうか」
 日本に対してだ。エルミーはこの閃きを話した。
「それは」
「いえ、それは幾ら何でも」
「無理でしょうか」
「宇宙怪獣を操る話は聞いたことがあります」
 それはだとだ。日本も話す。しかしだった。
 彼は深刻な顔になりだ。エルミーに対して答えた。
「富嶽にしろ他の大怪獣にしろ力は絶大です」
「それこそ惑星を破壊するまでの」
「そこまで恐ろしい力となるとです」
「人の手にはあまりますか」
「はい、扱いきれるものではないでしょう」
 こうエルミーに話すのだった。
「ですからそれはです」
「止めるべきですか」
「私はそう思います」
 その深刻な顔でだ。エルミーに話すのだった。
「できるものではありません」
「そうですか」
「そうだ。それは無理だ」
 二人のところにだ。柴神が来てだ。強張った顔で言ってきた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧