しょうけら
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第四章
「そうだよね」
「そういえばそうよね」
「警察の捜査対象とかは人間だから」
それでというのだ。
「本当にね」
「妖怪はなのね」
「ちょっとね」
「突き出せないの」
「多分ね」
「それは残念ね、じゃあぶん殴るだけでね」
「いいんだ」
「殴ることはしてやるわよ」
若し自分が入っている時に覗けばというのだ。
「それはね」
「絶対にだね」
「そうよ、それとね」
「それと?」
「このすき焼きいいお肉ね」
その肉を食べつつの言葉だった。
「随分と」
「安い輸入肉だよ」
耕太もその肉を食べつつ言う、すき焼きなのでとじた卵に入れてそのうえで食べている。これが実に美味い。
「別にね」
「高いお肉じゃないの」
「本当に安い」
「輸入肉なの」
「オーストラリア産だよ」
「その割には」
彩加はその肉をさらに食べつつ話した。
「美味しいわね」
「普通輸入肉ってステーキとか焼き肉には向いてるけれど」
「すき焼きとかしゃぶしゃぶにはね」
どうしてもというのだ。
「どうもだけれど」
「それがね」
「このお肉美味しいわね」
「そうだよね」
「いや、これなら」
彩加は肉を食べそれをおかずにご飯を食べつつさらに言った。
「またね」
「食べたいよね」
「そうよね」
「じゃあまたね」
耕太は焼酎を飲みつつ話した。
「このお肉使って」
「すき焼きするのね」
「そうしよう」
是非にと言うのだった。
「安かったし」
「それでこの味なら」
「また作ろうか」
「ええ、ただね」
ここで彩加は兄に強い声で言った。
「包丁の使い方雑よ」
「お料理の切り方が?」
「お豆腐とかお野菜とか」
葱や茸のそれがというのだ。
「全然お料理知らない人の切り方じゃない」
「だって実際僕お料理しないし」
「そのことあらためてわかったわ」
まさにとだ、彩加は言った。
「本当に」
「それは仕方ないじゃない」
「味付けは私がしたけれど」
兄がすると間違いなく失敗すると思ってそうしたのだ。退院したてだがそれは自分でやったのである。
「全く、将来結婚したら」
「出来るかな」
「というかしないと駄目よ」
妹は怒った顔で言った。
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