レーヴァティン
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第百二十五話 姫路入りその八
「必ず来る」
「こちらにだな」
「そうしてくる、ならな」
「今のうちにでござるな」
智も来ている、その彼も英雄に言ってきた。
「山陽と山陰を」
「掌握しておく」
「そうするでござるな」
「そしてだ」
さらにだった、英雄は話した。
「奴等が琉球を向いていてもな」
「拙者達は」
「山陽と山陰を掌握したならばな」
その次はというのだ。
「九州だ」
「そうしていくでござるな」
「その考えだ、ではだ」
「安芸にもでござるな」
「兵を進めていこう」
英雄は確かな声で言い切った。
「これからな」
「では今まで姫路にいましたが」
それでもとだ、良太が言ってきた。
「拠点を移しますか」
「備前にでもだな」
「備前の岡山城がいいかと」
「あの城に俺達も軍勢も入ってだな」
「そうしてそこからです」
備前の岡山城からというのだ。
「安芸への調略と攻めを行っていきましょう」
「そうすべきだな」
「はい、この度は」
「そうか、ではな」
「それでいいですね」
「姫路から安芸は少し遠い」
英雄は今確かな声で言った。
「だからだ」
「それで、ですね」
「次は岡山だ」
「そしてそこからですね」
「安芸を調略してな」
「攻めますね」
「備後まではここでもいいが」
姫路城を拠点にことを進めてもというのだ。
「しかしな」
「安芸となると」
「安芸から山陰ともなる」
「山陰は、ですか」
「鳥取を手に入れはしたが」
それでもというのだ。
「安芸から攻められるならな」
「攻めていきますか」
「そうしてだ」
「出雲、石見とですか」
「攻め取りたい」
「では」
「そのことも考えてな」
山陰攻めも視野に入れてとだ、英雄は良太に述べた。
「岡山に移る」
「それでは」
こうしてだった、英雄は備後までを掌握したうえでそこから安芸攻めを行う為に岡山に移った。そうしてだった。
岡山城に入るとだ、英雄はすぐに使者を務める者達に告げた。
「そなた達は今度はだ」
「はい、安芸ですね」
「あちらの国人達にですね」
「声をかけてですね」
「そうしてだ」
そのうえでというのだ。
「こちらに引き入れていく」
「その際ですね」
使者の一人が英雄に応えて言ってきた。
「我等の力も」
「喧伝してだ」
「そうして降る様に言う」
「今の我々がここに置いている兵は十四万だ」
これだけの兵が岡山城にいるというのだ。
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