石板の言葉

「そうしたアイテムもよおさん持ってます」
「用意がいいですね」
「はい、こちらにもです」
　今度は小雪が答えた。
「慣れてますから」
「だからですか」
「冒険も多くしてきました」
　実はこの二人だけでなく地下世界の星の者達はそうであったのだ、彼女達は旗揚げまでに地下世界中を冒険してきているのだ。
「そやから」
「それで、ですか」
「今回もです」
「慣れてますか」
「任せて下さい」
　小雪もこう言って戦闘に参加する、そしてだった。
　二人は調査チームを護衛しつつまずは遺跡に入った、そして遺跡に入るとすぐに術を使って内部を調査しはじめた。
　するとだ、最初の地下一階でだった。
「結構罠あるな」
「落とし穴とか横からの槍とか」
「この遺跡かなり手が込んでるな」
「かつては王様か誰かのお墓やったんやろか」
「それか」
　愛は小雪の話を聞いてさらに言った。
「何か重大なものがな」
「あるかも知れんね」
「それが何か」
「しっかりとやね」
「学者さん達が調べる為にも」
「私達がまず」
「遺跡の中探索して」
　それも隅から隅までだ。
「そうしていこな」
「ほなね」
　二人でこうしたことを話してだ、そのうえで。
　二人で一階一階慎重に調べていった、そうして。
　遺跡の中のモンスター達も倒し宝物も見付けていった、そのうえで奥まで入り込んでいっているとやがて。
　階が古代の、メソポタミアの神々の神殿の様になった。それで愛はその中を見回してそのうえで小雪に話した。
「ここは」
「まさか」
「神殿かほんまに」
「お墓で」
「それでな」
「まだ罠はあるし」
　術に反応があった、それで小雪は言った。
「相当なものがあるね」
「そやろな」
「ただの遺跡やなくて」
「これは凄いものがあるかもな」
「王様のお墓やったら」
　どうかとだ、小雪は話した。
「ほんまにね」
「どんなお宝があるかな」
「わからんで。後な」
「後？」
「いや、始皇帝のお墓思い出したけど」
　小雪は愛に考える顔で話した。
「あの人のお墓も一杯色々あったやん」
「ああ、財宝な」
「それと仕掛けと」
「当時の中国の地図があったりな」
「川なんか水銀で再現されてて」
「凄かったらしいな」
　驪山陵という、その巨大さと内装の見事さは歴史に残っている。万里の長城や安房宮と並ぶ始皇帝が築かせたものだ。