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妖女の正体

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第五章

 金髪を踝のところまで伸ばし背中には大きな蝙蝠の翼を生やし吊り目で耳が尖った妖艶な美女になった。肌はダークパープルで服は黒の下着とボンテージ、網タイツにブーツを思わせる。
 そして案内してきた者はインキュバスになった、後ろの女の声の主は鏡今は普通のそれを出して見るとサキュバスだった。
 周りには精気を吸うモンスターつまり淫魔系モンスターばかりだった。横溝に正体を看破されたサキュバスクイーンは二人を睨んで言ってきた。
「覚悟はいいわね」
「やはりそうなりますね」
「快楽のうちに殺してあげるから心配無用よ」
「わたくしは女性は好きですが」
 それでもとだ、横溝はサキュバスクイーンに笑って返した。
「サキュバスは趣味ではないので」
「あら、遠慮は無用よ」
「遠慮ではないです、そして降りかかる火の粉は払います」
 横溝はこうも言った。
「ですから」
「戦うというのね」
「そうさせて頂きます」
「お話は聞いたわ」
 サキュバスクイーンの言葉には自信があった、それも相当なものが。
「けれどこの数、そして魔族の中でもアークデーモンと並ぶ高位の私に勝てるかしら」
「勝てると申し上げれば」
「面白い冗談ね」
「わたくし冗談は好きですが」
 それでもという返事だった。
「ですが」
「今は言っていないのね」
「はい、左様です」
「はじめるか」
 島崎は闘争心を出した、そうして。
 その背に黒炎龍を出し右手には多節刀の浪切を左手には七節棍を出した、横溝も明護身剣を出してだった。
 札も出した、そこにモンスター達が襲い掛かってきたが。
 二人はまるでこの世の終わりの様な攻撃を浴びせそうしてモンスター達を薙ぎ倒して最後にはだった。
 横溝は剣でサキュバスクイーンの術を両断し打ち消してだった。
 返す刃で切り捨てそこに悪魔の弱点である聖属性の術を浴びせてだった。このモンスターも倒してしまった。
 サキュバスクイーンは致命傷を受けてその場に倒れたが苦しむ中で言った。
「まさか」
「いえ、現実です」
 横溝は今の冷静で余裕があった。
「貴女が倒されたことは」
「私をここまで楽に倒すなんて」
「世の中上には上がいます」
 これが横溝の返事だった。
「人も高位の悪魔を超えられる」
「それはそうにしても」
「人の成長は無限なのです」
 横溝はサキュバスクーンにこうも告げた。
「このこと覚えておいて下さいと申し上げたいですが」
「私はもう死ぬわ」
「そうですね、では」
「その言葉覚えておかないわ」 
 負け惜しみめいた言葉を残してだった、サキュバスクイーンはかなりの量の金塊になった。見れば他の淫魔達もだった。
 倒されて金塊になっていた、ここで横溝は島崎に言った。
「さて、後はです」
「この金塊を拾ってやな」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「そのうえで、です」
「市長さんのところに戻るか」
「そうしましょう」
「そうしてことが終わったとですね」
「報告しましょう」
「ほなな」
「ここは退きましょう」
 こう話すとだ、すぐにだった。 
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