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妖女の正体

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第三章

「サキュバスクイーンや九尾の狐や」
「そうしたモンスターがか」
「出来ることです」
「大体わかってきたな」
「こうしたモンスターは本来の姿で出る場合もあれば」
「変身してな」
「相手の理想の、欲情を煽る姿になり」
 そうしてというのだ。
「相手を誘惑し」
「精気を吸い取るな」
「そうした行為で」
「と、なると」
「わたくし達にもです」
 横溝は自分の話もした。
「仕掛けて来るかも知れません」
「そういうことやな」
「そのことを踏まえて」
「街の中を歩いてやな」
「調べていきましょう、特に」
 ここでだ、横溝はこうも言った。
「ここは姿見の鏡をです」
「そのアイテムか」
「敵の正体を映し出す」
「それを使うか」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「調べていきましょう、街を行き来する人達も」
「そこにモンスターが紛れ込んでるかも知れんしな」
「ですから」
 こうも考えられるからだというのだ。
「ここはです」
「鑑を使っていきましょう」
「神の鏡やとその正体もそこで晒せるが」
「この構いは映し出すだけですが」
「それでも正体がわかるな」
「それで充分ですね」
「ほなな」
 島崎はスパゲティ、ペペロンチーノのそれを食べつつ横溝に応えた。そうしてそのうえで二人でその鏡をアイテムショップで購入し。
 それぞれ街を鏡をちらちらさせつつ歩いていった。
 するとすぐに横溝の鏡に一体のサキュバスが映ったが。
 それだけでなくだった、インキュバスも映り。
 夢魔やリリム、妖狐といった精気を吸い取るモンスターが横溝の鏡だけでなく島崎のそれにも映った。その数はかなりのもので。
 島崎は宿屋の自分達の部屋の中で横溝に言った。
「おかしいな」
「はい、強力なものが一体と思っていましたが」
「それがな」
「並のものでもです」
「かなりおるな」
「そもそも街には結界が張られ」
 これは村も同じだ。
「モンスターはです」
「そう入られへん」
「サキュバス程は」
「特に十星連合が出来てからな」
「流石に九尾の狐やサキュバスクイーンは」
 こうしたかなり高位のモンスターはというと。
「入られますが」
「それでもやな」
「並のモンスターは」
 こちらはというのだ。
「無理です」
「そやな」
「ですが結界は壁です」
 横溝は考える顔になり島崎に話した。
「言うなら城壁です」
「中に入ればな」
「後は結構自由なものです」
「やりたい放題になる」
「モンスターの召喚も」
 こちらもというのだ。 
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