傾奇者の料理
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第三章
「それだ」
「鯉なんだ」
「そうだ、鯉料理だ」
小泉が考えている料理はというのだ。
「実はこの浮島諸島には鯉がとびきり美味い島があってな」
「そこに行ってだね」
「鯉を釣ってな」
そのうえでというのだ。
「その鯉をだ」
「食べてもら
うんだね」
「そうだ、鯉の刺身に鯉こくに」
小泉は今度はメニューの話をした。
「鍋もだ」
「鯉尽くしだね」
「揚げることもだ」
鯉をというのだ。
「いい、そして鯉を中心にして」
「他の食材もだね」
「集める、だが」
「だが?」
「鯉に合う食材、調味料も」
そういったものもというのだ。
「実はあてがある」
「そうなんだね」
「それもこのクセノフォンにだ」
「ああ、この街に」
「ここに来た時に言ったがこの街はこの浮島諸島きっての食の街だ」
「それでなんだ」
「美味いものが集まっている、特に」
小泉はさらに話した。
「太平洋と地下世界が統一されてからは特にな」
「ああ、十星連合になって」
「尚更だ」
「世界中からの食材が集まる様になったんだね」
「北極上空の浮島諸島だけでなくな」
「そうなんだね」
「そうだ」
それでというのだ。
「他の食材は金があればな」
「調味料もだね」
「どちらもだ」
それこそというのだ。
「金があればな」
「幾らでも手に入るんだ」
「だが鯉はそうはいかない」
肝心のこの食材はというのだ。
「あの鯉はその浮島にしかだ」
「いないんだ」
「鯉は何処でもいるが」
それでもというのだ。
「最高に美味い鯉はあの浮島だけだ」
「そこにいる鯉が一番なんだ」
「そうだ、その鯉を手に入れに行く。だが」
ここで小泉はこうも話し0た。
「その浮島は強力なモンスターが多い」
「そうなんだ」
「一応街や村もあるが」
それでもというのだ。
「ワイバーンやヒドラ、マンティコアにヒポグリフにとな」
「強いモンスターが多いんだね」
「だから難所だ」
「けれど行くね」
「私達は星の者だ、力が違う」
並の冒険者達はというのだ。
「だからだ」
「それでだね」
「臆することなくだ」
そのうえでというのだ。
「行くぞ」
「そうするね」
「あと金もある」
他の食材そして調味料を調達する為のそれもというのだ。
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