星河の覇皇
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第七十二部第一章 マウリアの人口統計その三十六
「そして気付かないうちにか」
「あんな政府が出来ていてか」
「機能していた」
「何百年も放置されていた間に」
「もう一つのマウリア政府」
この言葉も出た。
「そうした政府まで出来ていたか」
「裏のマウリア政府か」
「そう言ってもいいな」
アウトカースト層の政府がこう表現された、警察や消防署も持っているそれがだ。ただ軍隊は表のマウリア政府が国防を担っているので持っていない。
「まさにな」
「そんな政府まであってか」
「それがあらためてマウリアに入る」
「復帰って言ってもいいな」
かつてはマウリア政府に入っていたからだ、アウトカースト層も。
「除外されたからな、一度」
「けれどそれが戻った」
「その戻った分だけマウリアが強くなるな」
「人口も産業も」
「えらい強さになったな」
「一国では最強か」
「そうなったな」
完全にというのだ。
「連合の中のどの国よりも強い」
「エウロパ、オムダーマン、ティムールよりも」
「三千億の人口か」
「本当に多いぞ」
そうなったというのだ。
「それでバランサーをやるのか」
「今まで以上に強いバランサーだな」
「そうなっていくか」
「そのことは間違いないな」
「そしてアウトカースト層の政府の国家主席か」
「相当な奴だな」
このことも話された。
「そうみたいだな」
「どうやら」
「まだ二十代らしいぞ」
「若い」
政治家、特に一国の主としてだ。
「若くして政府の代表になるとは」
「一体どうした人物だ」
「これまで名前も知られていなかったが」
「そこを知りたいな」
「これからな」
マウリアの者達もジャバルという人物について関心を持った、もっと言えば持たざるを得なかった。これから世に出て来るその者に対して。
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