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レーヴァティン

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第百二十話 王都攻略その七

「守るって保証してな」
「そうしてだね」
「降る様に言うか」
「そうするんだね」
「それとな」
 久志は淳二にこうも言った。
「王様が降るな」
「交渉が上手にいくとね」
「ナポリ、それにヌミディアにな」
「またおいら達の下に王様が入るね」
「王様が下に来るとかな」
 久志は考える顔でこうも言った。
「それ皇帝だよな」
「そうそう、皇帝はね」
「王様の上にあってな」
「帝国の中に王国があるとかもね」
「あるよな」
「ローマ帝国がそうだったしね」
 元々パルミラはローマ領土内の王国であった、だからゼノビアも女王になることが出来たのである。
「それに神聖ローマ帝国も」
「中に王国あったな」
「バイエルンとかプロイセンとかね」
「そうだったな」
「中国でもね」
「皇帝がいてな」
 そしてだったのだ。
「殆ど皇族だったけれどな」
「王がいたね」
「ああ、あの国だってな」
 中国の歴代王朝だ、このことは漢代に定められ清代まで続いた。
「そうだったしな」
「王様が中にある国となると」
「それってもうな」
「帝国だね」
「そうだよな、じゃあ俺達は」
「帝国になるのかな」
「そうなるか、じゃあ俺はな」
 久志は自分のことも話した。
「皇帝になるのか」
「今は護民官だけれどね」
「そうなるか」
 こう言うのだった。
「皇帝にな、俺が」
「なる?」
「いや、今ふと考えただけでな」
 それに過ぎないからだというのだ。
「そうだけれどな」
「けれどね、やっぱり格ってあって」
「これ大きいよな」
「おいら達の起きてる世界でもそうだね」
「ああ、そういえば前もこんな話したな」
「そうだったね、つまりね」
「王様が下にいるならか」
「もうそれはね」
「皇帝しかないか」
「王様は同格だよ」
 王同士はというのだ。
「それで共和制の国家元首だと」
「大統領とかな」
「護民官もそうだね」
「ああ、それはな」
「王様より上か」
「そこは難しいよな」
「共和制の頃のローマはそうだったけれどね」
 周辺の王国も属国にし勢力圏に収めていた、そうして得意の政治を駆使して治めていたのである。カエサル以前の話だ。
「それでもね」
「やっぱり王様の上はか」
「皇帝だね」
「そうなるんだな」
「そう、だからね」
 淳二は久志にさらに話した。 
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