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レーヴァティン

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第百二十話 王都攻略その四

 抜かれた剣はすぐに紅蓮に燃え盛る刀身を出した、久志はその剣を両手に持ってそのうえで言うのだった。
「これしかないな」
「レーヴァティンを使うか」
「ああ、これを船首に立ってな」
 そうしてというのだ。
「横薙ぎに一閃させてな」
「炎を放ってか」
「そしてな」
「敵軍を一気に焼くか」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「敵陣を突破するか」
「そうか、切り札を使うか」
「これまではどうしてもな」
「人と人の戦ではだな」
「強過ぎるんだよ」
 レーヴァティン、この剣はというのだ。
「どうもな」
「この世界を救うと言われている剣だ」
「それだけにな」
「相当な力だからだな」
「使い方によってはあの敵軍もな」
 目の前にいる彼等もというのだ。
「一閃で倒して辺り一面焼く」
「そうなるとな」
「燃やさなくていいものも燃やしてな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「燃やさなくていい者もだな」
「燃やすからな」
 そうなってしまうからだというのだ。
「俺にしてもな」
「戦では使わなかったな」
「ああ、けれどな」
「今はだな」
「使う時か」
「だからだな」
「ちょっとな、使うな」
 こう正に告げた。
「今から」
「わかった、しかしだな」
「ああ、使う力はな」
 それはというと。
「セーブするな」
「全てを焼き尽くさないか」
「俺は勝つことを考えてな」
 そうしてとだ、久志は正に話した。
「レーヴァティンを使うんだよ」
「それならだな」
「ああ、皆殺しとか焼き尽くすとかな」
「そうしたことにはだな」
「使わないからな、だから街や城を攻める時もな」
 これまでのそうした時もというのだ。
「レーヴァティン使わなかっただろ」
「モンスターとの戦い以外ではな」
「そうだろ、そのモンスターとの戦いの時でもな」
「力はセーブしていたな」
「全力は出せるさ」
 レーヴァティンのそれはというのだ。
「普通にな、そうすればな」
「目の前の敵軍もな」
「皆殺しに出来るさ、けれどな」
「それが目的でないからな」
「そこまでしないさ、じゃあな」
 今からレーヴァティンの力を使うと言ってだ、実際にだった。
 久志は両手に持ったレーヴァティン、紅蓮の炎をまとった巨大な十字の剣を右から左に一閃させた。すると。
 剣から出た炎がナイル川の両岸に布陣した軍勢も川に布陣した軍船達も全てだった、炎で焼いた。それを受けて古王国軍は慌てて逃げ出した。
 燃え盛る炎から逃れて後ろに下がる、軍船に乗っていた者達も急いでだった。
 後ろに逃げにかかった、中には水や氷の属性の術を必死に使って消火にあたっている者達も見た。だが。
 陣は最早回復不可能なまでに乱れていた、それを見てだった。
 久志は全軍に突撃を命じた、ここでは岸では騎馬隊を川では大型の軍船を前にして突っ込ませた。そうしてだった。 
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