オズのキャプテン船長
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第四幕その二
「ペンギンに似ていますね」
「実際に彼等もペンギンと呼ばれていたよ」
「そうだったんですか」
「それで僕達がペンギンと言う鳥はね」
こちらはといいますと。
「ナンキョクペンギンと呼ばれていたんだ」
「そうですか」
「元々はそうだったんだ」
「そうしたお話があったんですね」
「そうだよ、ただね」
「ただ?」
「オズの国ではオオウミガラスはオオウミガラスと呼んでいてね」
そしてというのです。
「ペンギンはペンギンだよ」
「そう呼んで分けているんですね」
「そうだよ」
その通りだというのです。
「さもないと混乱するからね」
「そこはちゃんとですね」
「分けているんだ」
「さもないとどちらがどちらか分からなくなるのだよ」
教授もこう言います。
「オオウミガラスとペンギンは只でさえ似ているからね」
「本当にそっくりですね」
「そっくり過ぎて」
それでというのです。
「困るんだよ」
「だから呼び方を分けていますか」
「これでどっちもペンギンと呼んだら」
それこそというのです。
「区別がつかないからね」
「ううん、本当に似てますからね」
「見れば見る程そうだね」
「嘴の形は違っていても」
それでもです。
「そっくり過ぎますね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「気をつけてね」
「呼び名で分けていますか」
「そうしているよ、そしてあの島にはペンギンもいるから」
その彼等もというのです。
「だからね」
「ペンギンさん達にも会えますね」
「それが出来るよ」
「そしてあそこも観て」
今度はビリーナが言ってきました、そこは島の方でしたが鵜がいました。その鵜はどんな種類かといいますと。
「ベーリングシマウよ」
「えっ、あの鵜がなの」
「凄く寒い海にしかいなかったっていう」
「その鵜なんだね」
「いや、あの鵜もいるなんて」
「凄いわね」
「凄くないわよ、オズの国よ」
だからとです、ビリーナは平然として返します。
「だから外にいない生きものがいる国よ」
「だからなのね」
「ベーリングシマウもいるんだ」
「オオウミガラスと一緒に」
「それも元気に飛んで泳いで」
「そうしてるのね」
「そうよ」
普通に答えたビリーナでした。
「勿論他の外の世界にはいない生きものもいるから」
「じゃあ」
それならと聞いて言う恵梨香でした。
「ステラーカイギュウも」
「勿論いるとも」
船長が答えました。
「彼等もね」
「この島にですね」
「今から彼等がいる方に行くよ」
こう恵梨香に言うのでした。
「そうするよ」
「今からですか」
「そう、今から行って」
そしてというのです。
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