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オズのキャプテン船長

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第四幕その一

                第四幕  氷の島
 最初の目的地の島が見えてきました、その島はといいますと。
「周りに氷が一杯あるわね」
「うん、しかも島も氷だよ」
「全部氷だね」
「北極か南極みたいだね」
「そんな感じね」
 恵梨香達五人はその島を見て言いました。
 そしてです、恵梨香はふと船の傍を見て気付きました。
「見て、あそこに」
「角がある鯨がいるね」
 ジョージもその鯨に気付きました、
「海豚にも見えるけれど」
「これは鯨だよね」
 カルロスはその外見から言いました。
「海豚みたいに背鰭がないからね」
「海豚と鯨って少し違うわよね」
 そこはナターシャも知っています。
「同じ仲間だけれど」
「あれはイッカククジラだね」
 神宝がその種類を言いました。
「北極にいる鯨だよ」
「そう、あれはイッカククジラだよ」
 教授もその通りだと答えます。
「外の世界では北極にいる鯨だよ」
「そうなんですか」
「新法の言う通りですね」
「そうした鯨ですか」
「角が生えてるんですね」
「図鑑で観た通りですね」
「あれは牙なんだ」
 角ではないというのです。
「その証拠にお口のところに生えているね」
「あっ、確かに」
「お口から生えています」
「よく見ればそうですね」
「あれは牙ですね」
「頭から生えていないですね」
「そうだよ、そこがユニコーンと違うんだ」
 オズの国にもいるあの馬とはです。
「ユニコーンは頭から角が生えているけれどね」
「あれが特徴ですよね」
 恵梨香もこう応えます。
「ユニコーンの」
「そう、けれどイッカククジラはね」
「牙なんですね」
「そこが違うよ、けれど似ているね」
「何処かそうですね」
「それとね」
 さらにお話する教授でした。
「彼等以外の生きもの達もいるからね」
「ほら、あそこを見るといいよ」
 モジャボロはイッカククジラ達がいるところから少し離れた場所を指差しました、そこにはでした。
「別の生きもの達がいるね」
「ペンギンですか」 
 恵梨香はそこを凄い速さで泳いでいる鳥達を見て言いました。
「白黒の身体にあの体型は」
「あれっ、何かおかしくない?」
「確かにペンギンに見えるけれど」
「少し違うんじゃないかな」
「嘴とかペンギンとは違うわよ」
「あれはオオウミガラスだよ」
 モジャボロは恵梨香達ににこりと笑ってお話しました。
「ペンギンに似ているけれどね」
「あっ、もう外の世界にはいない」
「そうした生きものでしたね」
「リンキティンク王の国にいたドードー鳥と同じで」
「もう外の世界にはいないんでしたね」
「けれどオズの国にはいるんですね」
「そうなんだ、彼等はオズの国にはいてね」
 そしてというのです。
「ああしてこの島で楽しく泳いでいたりするんだ」
「何か本当に」
 恵梨香はそのオオウミガラス達を見てこう言いました。 
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