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星河の覇皇

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第七十二部第一章 マウリアの人口統計その二十三

「知りたい、特別に調査をしてくれ」
「わかりました」
「では今よりです」
「アウトカースト層も含めた調査、統計の最中ですが」
「それでもです」
「ジャバル主席の調査も行います」
「これより」
 側近達も答えた。
「色々とです」
「調べます」
「首都は同じですし」
「我々のすぐ隣にいます」
 場所自体はというのだ。
「だからです」
「何でしたらジャバル主席ともですね」
「直接ですね」
「会おう」
 クリシュナータは即答した。
「是非な」
「そうされますか」
「必要とあれば」
「その時は」
「すぐにな」
 まさにというのだ。
「そうしてくれるか」
「はい、わかりました」
「ジャバル主席のことをです」
「データ以外のこともです」
「必要とあればすぐに調べていきます」
「その様にな、しかし大学を出てすぐに選挙に立候補してか」
 今わかっていることからだ、クリシュナータは言った。
「当選したか」
「アウトカースト層の中央議会に」
「その下院にです」
「現与党の下院議員になり」
「そしてです」
 そうしてというのだ。
「次々に政策を立案して通し」
「演説と事務処理能力、知識と行動力も評価されてです」
「二十五歳で閣僚となり」
「そして二十七歳で党首の後継者に任命され主席選にも勝ち」
「今は国家主席です」
「僅か二十代でか、有り得ないまでだな」 
 クリシュナータはジャベルのその経歴を聞いて言った。
「立志伝としても異常に速い」
「まるで稲妻が逆さに昇る様な」
「そこまでの速さですね」
「そしてその速さで、ですね」
「上がりそして」
「今に至ります」
「大学ではです」
 このことも調査と統計の結果わかってきたことだがアウトカースト層もしっかりと義務教育のシステムが確立されている。そして大学等の高等教育も充実しているのだ。中には相当なレベルの大学も存在している。
「法学部で優秀な成績を収めると共にです」
「政治活動も行い」
「既にそこでかなり高く評価されていてです」
「現与党とも太いパイプを築き」
「立候補となった様です」
「そうか、だがそれにしてもだ」
 大学時代に政治活動をしていてもというのだ。
「家は普通だな」
「はい、アウトカースト層の中のです」
「確かに上級ですが普通の資産の家です」
「徒手空拳で政界に出た」
「そうした状況でした」
「ですが見事に政治資金も集め」
 そうしてというのだ、アウトカースト層も民主政治であり選挙が存在している。そして選挙ならば金が必要となる。
「当選しています」
「選挙にも非常に強いです」
「資金集めに演説も見事で」
「人の心を掴むことが得意です」
「政策も的確で合理的で」
「確実に議会を通過させています」
「政治においての天才と言うべきでしょうか」
 その域にまで達しているという説すらあった。 
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