レーヴァティン
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第百十九話 ナイル川へその二
「あの街はね」
「最大の攻撃目標でな」
「あそこを攻め落とすか囲むかで」
「勝敗が決するな」
「うん、だからだよ」
淳二は久志にさらに話した。
「ここはね」
「ナイル川を遡ってか」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「あの街まで進もうね」
「そうしような」
二人で話してだ、そのうえでだった。
久志はツブルクから出陣してそうして古王国の領内に入った、岸辺を見ればそこには芳直が率いる水軍がいた、久志はその彼等を見て微笑んだ。
「歩調を合わせてな」
「そうして進軍していくのね」
「ああ、そのうえでな」
こう双葉に話した。
「まずはな」
「川の洲の辺りをね」
「占領してな、アレクサンドリアをな」
特にこの街をというのだ。
「手に入れるか」
「そうね、そしてね」
「そこからな」
「水軍も使って川を遡って」
「そうして攻めていくな、だからな」
「まずはね」
「湖岸を進んでいくな」
そうしていくというのだ。
「まずは」
「それがいいわね」
「ああ、本当に間違っても砂漠にはな」
久志は今度は南を見た、湖岸の辺りは乾燥しているがしっかりと道がある、だが少し行くとだった。
そこは砂漠だった、見渡す限り砂の湖だ。久志はそちらの湖についてはどうかという顔で言うのだった。
「入らないからな」
「若し入ればね」
「絶対にいるからな」
「古王国の駱駝騎兵や軽騎兵がね」
「地の利はあの連中にあるんだ」
「それにモンスターも多しね」
「ああ、砂漠はな」
こちらの問題もあるというのだ。
「湖岸の方は殆どいないにしても」
「砂漠はね」
「モンスターも多いしな」
「軍勢なら問題なく戦えるけれど」
それでもというのだ。
「戦闘になるとそれだけで足止めになるし」
「こっちの場所も敵に気付かれるからな」
戦闘の際に起こる剣等武器を使う音に術の衝撃音等でだ、モンスターの咆哮もあるしそれが起こって敵軍に場所を知られることもこの世界ではあるのだ。
「だからな」
「そう、だからね」
「余計にな」
「砂漠に入ることはね」
このことはというのだ。
「禁物よ」
「本当にな」
「だからここはね」
「砂漠には入らずにな」
間違ってもというのだ。
「そしてな」
「そう、そしてね」
「まずはね」
「ナイル川の三角州の辺りをな」
「完全に掌握しましょう、ただ向こうも」
古王国側もとだ、双葉は久志に鋭い声で話した。
「ナイル川のことはわかっているから」
「というか向こうの方がな」
「そうよ、あの川こそがね」
「あの国の生命線だからな」
「何もかもわかっているから」
ナイル川のことをというのだ。
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