英雄伝説～灰の騎士の成り上がり～

～カレル離宮近辺～

「ハアッ！喰らいやがれっ！！」
ジェダルとの戦闘を開始したルトガーはクラフト――――――ラグナドライバーで襲いかかり
「甘い！」
ルトガーのクラフトを回避したジェダルは大剣を振るってルトガーに反撃した。
「おっとぉっ！次いくぜぇっ！そらそらぁっ！」
「邪魔だっ！！」
ジェダルの反撃をバスターグレイプで防御したルトガーはバスターグレイブによる豪快な薙ぎ払いをジェダル目掛けて放ち、対するジェダルはクラフト―――――禍汲斬(ガルベリオ)で対抗した。二人の攻撃がぶつかった際威力はルトガーの一撃よりもジェダルのクラフトが勝っていた為ルトガーの態勢を崩した。
「うおっ！？」
「ハアッ！！」
「ぐあっ！？」
ルトガーの態勢が崩れるとジェダルはルトガーに体当たりをしてルトガーにダメージを与えた。

「ハハッ、やるじゃねえか…………！よっこいしょっと…………！吹き飛びなぁっ！！」
「！」
ジェダルから距離をとったルトガーは不敵な笑みを浮かべた後クラフト――――――ブラストストームを放ち、襲い掛かる銃弾をジェダルは大きく跳躍して回避し続け
「喰らえっ！」
「な――――ぐあああああああああっ！？」
転位する前に”ヴァリアント”にあるメンフィル帝国軍の施設の一つである道具屋で予め購入した魔術が使えない者でも1度だけ”絵札”に込められている魔術を発動させる事ができる使い捨ての”絵札”の一つ――――――”大天使の絵札”を掲げて”絵札”に込められている上位神聖魔術を発動させてルトガーに反撃を叩き込み、”不死者”である為神聖魔術が弱点であるルトガーはジェダルが発動した絵札による魔術を受けると悲鳴を上げると共に怯んだ。
「滅せよ！！」
ルトガーが怯むとジェダルは離れた場所に広範囲の薙ぎ払いによる斬撃波を発生させるクラフト――――――業禍汲斬（ギル＝ガベリオ）をルトガーに叩き込んだ。
「ぐっ！？」
「まだだっ！」
「っと！」
自身が放った遠距離攻撃でルトガーが再び怯むとジェダルはルトガーとの距離を一気に縮めてルトガー目掛けて大剣を振り下ろし、ルトガーは間一髪のタイミングで後ろに跳躍してジェダルの追撃を回避した。

「ハハッ、今のは結構効いたぜ…………！若ぇの、さっきの魔法(アーツ)みたいのは何だったんだ？魔法(アーツ)が発動する前に何か小せぇものを掲げたが、あれは一体どんなカラクリなんだ？」
「…………バカかお前は。」
「何…………？」
ジェダルに”絵札”の事を聞いたルトガーだったが若干呆れた様子で答えたジェダルの答えを聞くと眉を顰め
「何故こちらの”手札”を”敵”にわざわざ説明して情報を与えてやる必要がある――――――呑み込め！！」
「！！ハハッ、クロスベルでもやり合った時から感じていたが若ぇのは他の連中と違って猟兵(おれたち)と”同類”か！」
ルトガーの疑問に答えた後にジェダルが放った竜の牙のように鋭い斬撃――――――竜牙衝を側面に跳躍して回避した後、声を上げて笑った後不敵な笑みを浮かべてジェダルを見つめた後戦闘を再開した。
　
「行くぜぇっ！」
「！」
バスターグレイプに闘気を収束した後一気に距離を詰めて斬りこんできたルトガーの斬撃をジェダルは大剣で受け流し
「止めだ――――――トールハンマー――――――ッ！！」
更にジェダルの背後へと回ったルトガーは銃口に集束した雷のエネルギーをジェダル目掛けて放った！
「！ハアッ！」
背後から襲い掛かる雷のエネルギーを幼い頃から”戦場”で戦い続けた事で身に付いた”カン”ですぐに察知したジェダルはその場で高く跳躍してルトガーのクラフトを回避し
「もう一度喰らえっ！」
「があああああああっ！？」
空中で再び道具袋から取り出した”大天使の絵札”を掲げて地上にいるルトガーに神聖魔術を叩き込んでルトガーにダメージを与えると共に怯ませ、ジェダルは落下の速度を利用してルトガー目掛けて大剣を片手で振り下ろした！
「セイッ！」
「させねぇぜっ！」
ジェダルが振り下ろした大剣をルトガーは咄嗟にバスターグレイプで防御した。

「まだだっ！」
「何―――――ぐあああああっ！？」
片手で振り下ろした大剣を防がれたジェダルはもう片方の手で道具袋に忍ばせていたメンフィル帝国軍の武器屋で購入した神聖属性の魔力が込められた短剣――――”クリス”を取り出すと同時にルトガーの左眼目掛けて投擲し、ジェダルの大剣を防いでいた事でジェダルが投擲した短剣の対処が遅れたルトガーの目に短剣が刺さり、眼に短剣が刺さった痛みと弱点である神聖属性の魔力が込められた刃の痛みの二重の痛みでルトガーに思わず悲鳴を上げさせると共に怯ませ
「止めだっ！」
「グッ…………！があっ！？チッ…………！」
ルトガーが怯むとジェダルは追撃にクラフト―――――禍汲斬(ガルベリオ)を放ち、ジェダルの追撃をルトガーは後ろに跳躍して回避しようとしたが反応が遅れた為、ジェダルが放った斬撃を受けてしまい、斬撃を受けた部分からは大量の血が噴出し、ダメージから立ち直ったルトガーは大きく後ろに跳躍してジェダルとの距離を取った。

「アハハ、燃えちゃえ――――――ッ！！」
戦闘が始まるとシャーリィは先制攻撃に自身の得物から火炎放射を放つクラフト――――――フレイムチャージをエリゼ達に放ち
「防いでください、クラウ＝ソラス！」
「――――――」
自分達に襲い掛かる火炎放射に対してアルティナが前に出てクラウ＝ソラスに結界を展開させて火炎放射を防いだ。
「ふふっ、炎がお好きなようですが、ご自身で受ける事はいかがですか？――――――ファイアー！！」
アルティナが火炎放射を防いでいる間にミュゼは魔導騎銃の周囲に具現化させた追尾機能つきの数本の炎の魔剣を放つクラフト――――――ムーランルージュをシャーリィに放ち
「させるかっ！」
シャーリィに襲い掛かる炎の魔剣に対してガレスが次々と狙撃して無効化した。

「水よ、行けっ！――――――連続水弾！！」
「エニグマ駆動――――――スパークル！！」
「ぐっ！？」
「わっ！？」
そこにエリスとセレーネが詠唱時間や駆動時間が短いかつ発動が早い下位魔術や下位アーツをガレスとシャーリィにそれぞれ命中させてダメージを与え
「秘技――――――裏疾風！斬！！」
「行くぞ――――――ハァァァァァァ…………ッ！」
「行くぜ？そらあああぁぁ…………っ！」
二人の魔術とアーツが命中するとエリゼが電光石火の二連続攻撃で追撃し、エリゼの追撃が終わるとクルトが怒涛の剣撃を繰り出すクラフト――――――レインスラッシュで、フォルデがクラフト――――――スラストレインで左右から同時攻撃をシャーリィとガレスに叩き込み
「エニグマ駆動――――――フレアバタフライ！！」
仲間達が攻撃している間に駆動時間を終わらせたアルフィンが広範囲に炎の柱を発生させる上位アーツを発動させてシャーリィとガレスに更にダメージを与えた！

「アハハ、やるねぇ！でもやられっぱなしはさすがにムカつくよ――――――切り刻め――――――ッ！」
シャーリィは反撃にチェーンソーを回転させて突進するクラフト―――――― ブラッドストームでエリゼ達に襲い掛かったが
「吹き荒れなさい――――――ハリケーンブリザード！！」
セレーネが前に出て吹雪の結界を展開してシャーリィの突進攻撃を受け止めた。
「ふふっ、結界(そんなもの)でシャーリィは止められな『いや、折角攻撃を受け止めているんだから、その間に反撃しないと思う方がアホだろ――――――ダガースナイプ！！』――――――！」
攻撃を受け止められたシャーリィは不敵な笑みを浮かべてチェーンソーを更に回転させて結界を削ろうとしたが、呆れた表情を浮かべたフォルデが投擲した短剣を回避する為に大きく後ろに跳躍して回避し
「くっ…………これでも喰らえっ！」
「ふふっ、そうはさせませんわ！」
ガレスが投擲した閃光手榴弾はミュゼが魔導騎銃による狙撃で空中で爆発させた。

「ブリューナク起動、照射。」
「――――――」
「「！！」」
アルティナの指示によってクラウ＝ソラスが放ったレーザーを左右に散開して回避したシャーリィとガレスであったが
「二の型――――――洸波斬！！」
「巻き起これ、烈風――――――シルフィードキス！！」
「うわっ！？」
「ぐっ！？」
回避し終えた瞬間に放たれたエリゼとフォルデの遠距離攻撃を回避する事はできず、ダメージを受けてしまった。

「闇よ、全てを漆黒に包め――――――崩壊のディザイア！！」
エリゼとフォルデの遠距離攻撃が終わるとエリスは魔術を発動し、エリスが発動した魔術によって発生した広範囲の漆黒の霧はシャーリィとガレスを包み込み
「エニグマ駆動――――――クリムゾンレイ！！」
「雷光よ、我が右手に宿れ――――――サンダーストライク！！」
「うあああああああっ！？」
「があああああああっ！？」
更にアルフィンが発動したアーツはシャーリィの頭上に巨大な火球が現れた後凄まじい火柱を発生させ、セレーネは右手から集束した雷光エネルギーをガレスがいる位置目掛けて解き放ち、シャーリィとガレスはアルフィンのアーツとセレーネの魔術、そして漆黒の霧に包まれた事で全身から襲い掛かるダメージを受けて思わず悲鳴を上げた。

「ヴァンダールが双剣――――――とくと味わえ！！行くぞ――――――うおおおおおお…………っ！」
「行きます――――――トランスフォーム！GO（ゴー）、アルカディス・ギア！よーい――――――どん！！ブリューナク展開、掃射！」
「今から魔法をかけてさしあげます♪ふふっ、お綺麗ですよ♪」
そして一気に勝負を決める為にそれぞれSクラフトを発動したクルトはシャーリィに一気に詰め寄って凄まじい速さでの連続斬撃を叩き込んだ後高く跳躍し、アルティナはリィン達がセティ達にアルティナの武装であるクラウ＝ソラスに関しての強化を頼んだ際にセティ達がティオの”エイドロンギア”を参考にしてティオの協力の元で開発し、追加した新機能によってクラウ＝ソラスと一体化し、両肩に装着されている砲口から凄まじいエネルギー砲を放ってシャーリィを中心にエネルギーの爆発を起こした後シャーリィの頭上へと浮上し、ミュゼはその場で魔法陣を描いた後描いた魔法陣をガレスに放ち、ミュゼの魔法陣によってガレスは氷の花の中に封じ込められた。
「止めだ――――――たあっ！ラグナストライク！！」
「止めです――――――ハアァァァッ！斬！！」
それぞれ空高くへと上がったクルトは全身に雷光を纏ってシャーリィ目掛けて突進し、、アルティナはブレードの部分である両腕を縦に回転させて止めの一撃をシャーリィに叩き込み
「ブリリアント――――――ショット！！」
ミュゼは魔導騎銃から導力レーザーを氷の花目掛けて放ち、花の中へと入ったレーザーが中で何度も反射した後ミュゼが指を鳴らすと氷の花は炸裂してガレスを巻き込んだ！
「あああああああっ！？アハハ…………面白くなってきたね…………っ！」
「ぐああああああっ！？くっ…………」
三人のSクラフトを受けた事でダメージが限界に来て戦闘不能になったシャーリィとガレスは地面に膝をついた！

「オラオラオラァッ！」
戦闘が始まるとマクバーンは魔剣を振るってリィン達目掛けて炎の斬撃波を連続で放った。
「星光――――――地烈斬！！」
「何…………っ！？ハハッ、いいねぇ！！」
しかしアイドスが放った星の魔力が宿った地を走る斬撃波によってマクバーンが放った斬撃波は全てアイドスが放った斬撃波に切り裂かれると同時にマクバーンに襲い掛かり、自分の斬撃を呑み込んだアイドスの力に驚いたマクバーンは回避した後不敵な笑みを浮かべた。
「星の裁きを受けなさい――――――スタークロス！！」
「ガッ！？」
そこに魔術の詠唱を終えたユリーシャがマクバーンの頭上から星の十字架を降り注がせて炸裂させ、ユリーシャの魔術でダメージを受けたマクバーンは怯んだ。
「唸れ――――――うおぉぉぉぉ…………っ！螺旋撃！！」
「喰らうがいい――――――アルティウムセイバー！！」
「！！」
ユリーシャの魔術が発動している間にマクバーンとの距離を詰めたリィンとリアンヌはそれぞれ自身が扱えるクラフトの中でも威力がトップクラスのクラフトを左右から同時にマクバーンに叩き込み、二人が放った攻撃に反応して咄嗟に魔剣で防御したマクバーンは防御した際に発生した凄まじい衝撃で地面を擦りながら後ろへと下がらせられた。

「星の裁きの槍よ――――――メギドの神槍！！」
「っと！ハハハハハハッ、いいぞ、シュバルツァー！今のテメェなら”光の剣匠”よりも楽しめるぜぇっ！」
「緋空斬！！」
「シャアッ！」
追撃に放ったアイドスの魔術によって発生した神槍を側面に跳躍して回避したマクバーンは声を上げて笑った後敵を喰らう炎の獣を放つクラフト――――――ヘルハウンドをリィン達に放ったがリィンが放った炎の斬撃波によって炎の獣は真っ二つにされてそのままマクバーンに襲い掛かり、襲い掛かる斬撃波をマクバーンは魔剣を振るって切り裂いた。
「行きますよ――――――貫け！！」
「ガアッ！？」
しかしリアンヌが放った凄まじい速さで突撃して敵を貫く一撃――――――シュトルムランツァーに対する回避や防御は間に合わず、ダメージを受けると共に態勢を崩し
「リィン少佐――――――いざっ！」
「了解しました！」
マクバーンの態勢が崩れるとリアンヌはリンクを結んでいるリィンと共に”リンクアビリティ”の一つである”ラッシュ”を発動させてリィンと共に交互の連携攻撃をマクバーンに叩き込んで更なるダメージを与えた。

「エニグマ駆動――――――『強化するわ！』――ダークマター！！」
「チィ…………っ！？」
二人の連携攻撃が終わるとアイドスとリンクを組んでいる事でリンクを結んでいる相手のアーツの威力を高めるアイドスの”リンクアビリティ”の一つ――――――”ブーストアーツ”による強化を受けたユリーシャがマクバーンに普段以上の威力と吸引効果がある攻撃アーツでマクバーンにダメージを与えると共に動きを封じ込めさせ
「枢孔――――――身妖舞！！」
「があああああっ！？」
僅かな間だけ動きが制限されているマクバーンとの距離を一気に詰めたアイドスは一振りで無数の斬撃を叩き込む高速剣”飛燕剣”の最上位技の一つ――――――枢孔身妖舞をマクバーンに叩き込み、アイドスが放った斬撃を受けたマクバーンは斬撃を受けた場所から大量の血を噴出させた！

「ハハハハハハッ！まさか”嵐の剣神達以外にも””今の俺”をここまで追い詰める連中がいるとはなぁ！だったら、当然”コイツ”にもアイツらのように耐えるか無効化してくれよぉ！？」
リィン達との戦闘で追い詰められている立場であるはずのマクバーンだったが自分が追い詰められているという状況を楽しみ、リィン達にSクラフトを放つ為に片手に顕現させた黒い火球を凝縮させ始め
「来る――――――ッ！」
「――――――大丈夫。私が防ぐからリィン達は反撃の準備を。」
マクバーンの行動を見たリィンが身構えるとアイドスが前に出て神剣を構えて魔術の詠唱をし始め
「ジリオン――――――ハザード！！」
「星芒よ！邪法を封じたまえ！オリンポスの星封印！！」
凝縮を終えたマクバーンがリィン達目掛けて進むごとに巨大化し、最後は超越した大爆発を起こす火球を放ったその時”星”の力により例え”大魔術”や”禁術”でも封じる事ができる”星女神”であるアイドスが扱える封印神魔術―――オリンポスの星封印をアイドスが発動し、アイドスの封印魔術によってマクバーンが放った火球は消滅し、更に火焔魔人化していたマクバーンの”火焔魔人”が強制的に解除された！

「な――――――俺の”力”を強制的に封じ込めただと！？」
自分が放ったSクラフトが無効化されるどころか、自身の”力”まで封じられた事にマクバーンが驚いたその時！
「今よ！」
「はいっ！星の裁きを受けなさい！慈悲神アイドスよ、邪悪なる者達に星の裁きを！煌めけ――――――セラフィムハ―ツ！！」
「ぐ…………っ！？」
アイドスがリィン達に好機の機会である事を伝え、アイドスの言葉に真っ先に答えたユリーシャは空高くへと舞い上がった後自身の翼から無数の星の光を降り注がせてマクバーンを怯ませた
「――――サンドロット卿、お願いします！」
「任されましょう！」
互いに視線を交わして頷いたリィンとリアンヌがそれぞれ攻撃を開始した。

「おおおおぉぉぉぉ……！」
「ハァァァァァァァ……！」
攻撃を開始した二人は神々しい光の軌跡を地面に残しながら斜め十字(クロス)に斬撃をマクバーンに叩き込んだ後更に追撃を同時に叩き込み、一端マクバーンから距離を取り
「これで……！」
「終わりですっ！」
「うおおおおおおおっ！？アリアンロード――――――ッ！リィン――――――シュバルツァー――――――ッ！！」
二人は再び同時に神々しい光の軌跡を地面に残しながらマクバーンに詰め寄り、”力”が封印されていた事で二人の協力技に対して対抗できないマクバーンは二人を睨んで咆哮を上げて魔剣を振るったがまだ終わっていなかったユリーシャが放ち続けていた星の光がマクバーンの手から魔剣をはたき落とし、咆哮を上げたマクバーンにリィンとリアンヌはSクラフト―――『無想覇斬』と『グランドクロス』を同時に叩き込んだ！

「「神技！聖覇十文字斬！！」」

それぞれの大技を同時に叩き込んだ二人が駆け抜けると光の十字架がマクバーンに刻み込まれると共に無数の光の刃が発生し、最後には二人が地面に残した神々しい光の軌跡から無数の光の柱が発生し、柱は合体して極太の光の柱と化し、星をも貫く程の柱へと化した！

「がああああああああああああ――――――ッ！？」

リィンとリアンヌが放った本来は”騎神”が協力して放つ事ができる究極の協力技(アルティメットコンビクラフト)――――極・相ノ太刀・聖覇十文字斬が終わると魔剣(アングバール)は木端微塵に破壊され、更にマクバーンの両腕は切り落とされており、遅れるように全身を切り刻まれ、光の柱による浄化の光で焼き尽くされたマクバーンの胴体が仰向けに倒れると倒れた衝撃によってマクバーンの生首は地面に転がった！


「リ、リィン達が勝った…………んだよね…………？」
「ああ…………まさかあのメンツを相手にリィン達が勝つとはこの目で見ても未だ信じられないが…………」
「け、結社どころか黒の工房、鉄血の子供達(アイアンブリード)、それに二大猟兵団がリィン達に敗北するなんて！？」
「しかもリィンと聖女殿があの”劫炎”を滅するとは…………！」
「リィンと聖女殿達もそうだが、他の者達も余りにも圧倒的な戦いでもあったな……」
「これがメンフィルの”力”…………」
「やれやれ………幾らエリゼ君達の加勢があったとはいえ、まさかミュゼ君がそこまで”できる”とはね。」
「クルト…………」
「ハハ………それにアルフィンもそうだがエリス君も一体いつの間にそんなに強くなったんだい…………？」
リィン達がそれぞれの相手との戦闘を終えるとエリオットとユーシスは呆け、マキアスとラウラは信じられない表情で声を上げ、アルゼイド子爵とガイウスは静かな表情で呟き、アンゼリカは苦笑しながらミュゼを、ミュラーは静かな表情でクルトをそれぞれ見つめ、オリヴァルト皇子は疲れた表情で呟いた。

「団長…………！？ゼノ…………レオ…………！」
「シャロン…………父様…………」
「ジョルジュ君…………」
「”死線”もそうだけど、まさか”猟兵王”を含めた”西風の旅団”があんなあっさりやられるなんて、連中は一体何者なの…………？」
「しかも彼らが使っている戦術オーブメントはARCUS（アークス）ではなく、ENIGMA（エニグマ）のようなのにARCUS（アークス）のみにしかない機能の”戦術リンク”が何故発動しているのでしょうね…………？」
「…………まさかリィン（アイツ）があの”劫炎”を殺すとはね。」
「リィンさん…………」
それぞれの相手にこっぴどくやられた様子のルトガー達を見たフィーは思わず辛そうな表情で声を上げ、アリサは複雑そうな表情でクルーガーとアルベリヒに視線を向け、トワは辛そうな表情でゲオルグに視線を向け、サラとトマスは真剣な表情でリィン達を見回し、セリーヌとエマは複雑そうな表情を浮かべてリィンを見つめた。
「…………なるほどの。『例え黄昏が起こった所で、メンフィル・クロスベル連合の勝利は絶対であり、鉄血宰相や黒のアルベリヒは必ずメンフィル・クロスベル連合に滅せられる』と”あの者”が豪語するだけはあるという事か。”黒”や”鉄血宰相”もそうだが、ヌシ達”結社”もメンフィルの”力”を侮っていたからこそ、盟主や多くの”蛇の使徒”が討たれ、結社が滅亡寸前まで追い詰められたのではないか、ヴィータよ。」
「…………返す言葉もないわ。」
重々しい様子を纏って呟いたローゼリアに視線を向けられたクロチルダは疲れた表情で答えた。

「ぐ…………っ…………ハハッ、前回以上にこっぴどくやられちまったな…………」
「バカな…………たった一人で団長をそこまで追い詰めたというのか…………！」
「大丈夫か、団長…………！？」
ジェダルとの戦いで重傷を負ったルトガーはジェダルの斬撃を受けた部分を片手で抑えながら苦笑してジェダル達を見つめ、ルトガーの様子を見たレオニダスは驚き、ゼノは真剣な表情で声を上げてルトガーの身を心配し
「バカなッ！？以前よりも戦力が低下しているにも関わらず”猟兵王”にそこまでの深手を負わせるだと！？」
「アハハ、片目を完全にやられるなんて、パパとお揃いじゃない！」
一方ガレスも驚き、シャーリィは興味ありげな表情を浮かべてルトガーに視線を向けた。

「おいおい…………既に殺られた奴とお揃いだなんて縁起でもねえ――――――閃撃！！」
「！！」
シャーリィの言葉に苦笑しながら答えかけたルトガーだったがミュゼが狙撃の構えをしてガレスに銃口を向けるところを見たルトガーは血相を変えてガレスに警告し、警告を聞いたガレスはミュゼの狙撃を間一髪のタイミングで回避した。
「むう、今のタイミングでしたら仕留められたと思っていたのに残念ですわ――――――とでも言うと思っていたのですか？」
「何…………っ！？」
狙撃を回避されたミュゼが残念そうな表情を浮かべた後意味ありげな笑みを浮かべ、ミュゼの言葉を聞いたガレスが驚いたその時！
（今…………ッ！）
静かに狙撃のタイミングを狙っていたステラがガレス目掛けて狙撃をし、ステラが狙撃した銃弾は寸分の狂いもなくガレスの額に命中した――――――！