聖神官の謎
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第一章
聖神官の謎
スティーブ=サンチェスとサミー=ガルパンはこの時サンチェスの神託で地下世界のフライヤという街に来ていた。
街に来てサンチェスはすぐにガルパンに話した。
「ここは静かな街やな」
「でかい神殿があって」
「北欧の神々を祀ったな」
「この世界での北欧といいますと」
まさにとだ、ガルパンは話した。
「やっぱり欧州で」
「この世界でもな」
「それで信仰の方も」
「北欧を中心として欧州で信仰されてるが」
「地下世界ではですね」
「太平洋の勢力圏にはなったが」
それでもというのだ。
「地下世界は雑多や」
「欧州の文化や信仰も入ってて」
「どうもあちこちの地域から移民が入ってな」
「それで出来た世界なので」
「それでや」
その為にとだ、サンチェスはガルパンに話した。
「北欧の信仰も入ってる」
「そうですね」
「他にはギリシアの信仰も入ってる」
「そしてスラブやヒンズーの信仰も」
「スラブやヒンズーは外の世界やとな」
「枢軸ですけど」
この勢力圏の信仰だがというのだ。
「それがですね」
「地下世界では共にある」
「そうした地域ってことですね」
「二十五億もの人がおるが」
その二十五億の人口がというのだ。
「雑多や」
「色々な地域の人が入ってますね」
「種族もな、それでこの街はな」
「北欧の神々の街ですね」
「その神殿を中心として栄えてる」
「まさに宗教都市ですね」
「宗教都市だけあって」
サンチェスはガルパンにさらに話した。
「静かってことですね」
「そういうことや、それで神殿の神々は」
祀られている彼等はというと。
「嵐と戦の神にして主神のオーディンに」
「北欧を代表する神様ですね」
「雷と農業の神トール、虹と豊穣の神フレイ、炎と技術の神ロキ」
「邪神ちゃいました、ロキって」
「こっちの信仰では確かに策略家で元々は炎の精霊やったが」
種族ではなく高位の半神としての精霊である、精霊といっても人の種族以外にもそうした高位の存在もあるのだ。
「神になった」
「ワーグナーの方のロキですか」
「ニーベルングの指輪のな」
「あっちじゃローゲっていう」
「そっちのロキや、あと結婚の女神フリッカとか愛の女神フライアとか狩りの神ウルとか正義と光の神バルドルとか」
「主な神々を全て祀ってますか」
「北欧の主な神々全てを祀ってる」
「そうした神殿を中心とした」
まさにと言うのだった。
「街ですね」
「そしてその街でな」
サンチェスはガルパンにさらに話した。
「拙僧の神託がある」
「それじゃあその神託も」
「北欧の神々と関係のある」
「そういうものかも知れないですね」
「そう考えてるわ」
実際にとだ、こうガルパンに話してだった。
サンチェスは彼と共に二人で旅の冒険者と素性を隠したうえで街のギルドに入った。だがギルドではこれといってだった。
神託でありそうな依頼はなかった、それでサンチェスはガルパンに話した。
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