オズのキャプテン船長
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第二幕その十
「そんな鳥は野生ではいないわね」
「そういえばそうね」
「しかも雛にならない卵生めるでしょ」
「無精卵ね」
「あれはかなり特殊でしょ」
「そうだね、わしとしてはね」
船長が恵梨香達に言ってきました。
「その卵から孵る直前の雛を食べたことがあったけれど」
「ベトナムのお料理ですね」
「あれを食べるのも好きだよ」
「卵と鶏の間ですか」
「丁度ね、それが美味しいんだよ」
「そうなんですか」
「恵梨香達もベトナムから来た子達と知り合いかな」
船長は恵梨香にこのことも尋ねました。
「どうかな」
「はい、隣のクラスに女の子がいます」
恵梨香は船長に答えました。
「ホーチミンから来てる娘です」
「その娘から聞いているかな」
「はい、そういえば」
「そうだね、これが食べると元気が出て」
そうしてというのです。
「美味しいんだよ」
「そうなんですね」
「ベトナム料理も面白くてね」
「生春巻きもそうですし」
「その他の食べものも面白いんだ」
「それでそうしたものも食べるんですね」
「そうだよ、機会があれば食べてみるといいよ」
船長は恵梨香達に笑顔でお話しました。
「一度ね」
「わかりました」
「卵も色々なお料理があるんだよ」
「そういうことですね」
「そして」
ここで、でした。
船長はまたドードー鳥を見てお話しました。
「君達も家畜になったらだよ」
「毎日卵を生める様になるかな」
「雌はね」
「鶏みたいに」
「品種改良して」
そしてというのです。
「その結果ね」
「僕達も家畜になったその時は」
「毎日生めるよ」
「そうなると面白いね」
「うん、確かに君達は飛べない鳥だけれど」
このことは変わらなくてもというのです。
「品種改良でね」
「毎日卵を生めたりするんだね」
「飛べなくても跳べたり」
鶏の様にです。
「早く走ったり泳ぐこともね」
「出来るかな」
「そうなるかも知れないよ」
「僕達みたいに歩くことしか出来なくても」
「そうだよ、特にこのオズの国は不思議の国だから」
それ故にというのです。
「それだったらね」
「余計にだね」
「そう、品種改良にだね」
「色々なことが出来る様になるんだね」
「今は無理なこともね」
「それは面白いね」
「そうだね」
こうドードー鳥に言うのでした。
「あと大きくなることもね」
「あっ、大きいドードー鳥なら」
赤いドードー鳥は大きいと言われて船長に答えました。
「もういるよ」
「ああ、この動物園にはいないがね」
教授が大きなドードー鳥についてお話します。
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