| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十一部第五章 組み入れその三十七

「ですから」
「その方面においてもな」
「ですがエウロパは」
「なまじ当初恵まれた星が多かった」
 ブラウベルグが進出したその先にだ。
「そうした惑星に進出し安穏とだったな」
「発展し人口も増えてきましたが」
「彼等の惑星開発、開拓技術ではな」
「千億が限度でした」
「そのことに気付くまでな」
「彼等は惑星開発、開拓技術の発展を怠ってきました」
「そうだったな」
 キロモトも応えた。
「あの国は」
「代わりにスペースコロニーの開発に力を入れてきましたが」
「あれはな」
「実際のところはです」 
 二十世紀から二十一世紀にかけて人類の発展の理想の進化の一つとして憧れと共に様々な媒体で描かれてきたがだ。
「採算が取れません」
「そうしたものだな」
「一つ一つの建造と居住の為のエネルギーの供給、長年使用する為のメンテナンスやリニューアルと」
 八条はそうしたものを挙げていった。
「様々なことに予算が必要ですが」
「一つ一つへの居住は限られている」
「百万の人口が居住出来るコロニー一つ建造してもです」
「僅か百万だ」
「人工の増加は百万どころでは済みません」
「増え続ける人口の受け入れになるにはな」
「採算が合いません」
 八条はまた言った。
「とても」
「その通りだ、エウロパは多くのコロニーを建造したが」
 それにより本土での許容量以上の人口を養おうとしたのだ。
 しかしだ、それはだったのだ。
「財政を圧迫しまた人口問題もな」
「解決出来ず」
「結果としてサハラに侵攻し生存権を確保しようとした」
「しかしサハラから撤退しました」
 市民達も全て引き揚げることにした、北方を掌握していたシャイターンも彼等はあえて行かせてそのうえで空き家を占領していった。
「彼等の人口問題は振り出しに戻りました」
「結果としてな」
「それの解決にです」
「またバサンサーとしてだな」
「マウリアが手を貸している様です」
「我々のロートルの惑星開発、開拓技術をだな」
「渡している様です」
「そうしているか」
「そうです、そして」
 そのうえでというのだ。
「エウロパはその技術を使い」
「本土の惑星や衛星の開発、開拓に取り掛かるか」
「本土を開発、開拓し資源も手に入れ」
「それにより発展してだな」
「さらにです」
 まさにというのだ。
「暗黒宙域を越えることもです」
「考えているか」
「あの国は国力を備えようと必死です」
「我々に対抗する為に」
「そうです」
「内政か、それを妨害したいな」
 キロモトは政治家としてだ、こうも考えて言った。
「是非」
「発展を妨害するのですか」
「何らかの手段でな」
「そうですか」
「君はそうしたことは好まないな」
「はい、どうも」
 謀略についてはだ、八条はどうしても抵抗がある。それでこう述べたのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧