ある晴れた日に
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684部分:日の光は薄らぎその十四
日の光は薄らぎその十四
「阪神だって田淵がいたぞ」
「バースもいたぞ」
「掛布だっていたしな」
「岡田もいて移籍してきたのだと真弓だって」
何とかスラッガー達を出していくのであった。
「あとはカーランドも」
「藤村だっていたし」
「出て行ったけれど別当も」
「凄い昔の人もいるよね」
「そうね」
茜と恵美がそれを聞いて話をした。
「別当とか藤村って」
「一リーグの頃の人ね」
「そんな昔のこと言うと」
「もう話が何かね」
「阪神は歴史が長いからね」
桐生の言葉である。
「だからそこにまで話がいくんだ」
「ダイナマイト打線は終戦直後のことだったんだよ」
竹山も言う。
「あの打線はもう伝説だけれどね」
「うちのビッグバン打線とは違うのね」
茜はそれを聞いて述べた。
「うちの打線は最近の名前だからね」
「それでも迫力ある名前だよな」
「だよなあ、ビッグバンだからな」
「実際によく打つしな」
「日本ハムは昔からバッターには困らないのよ」
それについてははっきりと言う茜だった。
「打つだけでなく守りもね」
「ホークスも九州に移ってからはそうね」
咲がまた言ってきた。
「ちょっとエラーが多めなのが困りものだけれど」
「守備範囲は広くて肩もいいけれど細かいプレイが雑なのよね」
恵美はホークスナインについてはこう指摘する。
「何かね。まあ最近のうちは」
「明らかに守備悪いだろ」
「特に内野」
ヤクルトの二人がそこを指摘する。
「エラーは多いしよ」
「守備範囲だって」
「完全に打って走るだけのチームになったよな」
「昔は違ったんでしょ?今みたいに打って走って投げるってチームじゃ」
「細かいプレイが看板だったわ」
それは自覚している恵美だった。
「昔はね」
「今はな。あれはな」
「ちょっとないわよね」
気付けばもう歌い終わっている奈々瀬であった。完全にである。それで今話に加わっているのである。そうして今部屋にだ。このタイミングで。
明日夢が来てだ。不機嫌そのものの顔で言うのであった。
「守備はどうにもならないわよ」
「出たな」
「お店は?」
「カウンターは?」
「アルバイトの人が来てくれたから」
こうその顔で言うのである。
「今は大丈夫よ」
「まあそうだったらいいけれどな」
「それでね」
皆とりあえず明日夢の話を聞いた。聞きはした。
「守備っていったら」
「ベイスターズは」
「どうなのよ」
「そんなのもうどうでもいいのよ」
実に荒れた返答であった。
「もうね」
「守れないってことか」
「つまりは」
「そうとしか聞こえないし」
「何でなのよ」
また言う明日夢だった。何時の間にか空いている席に座っている。店のエプロンを着たままそのうえで皆に対して言うのであった。
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