ゾンビにならなかったドラゴン
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第四章
そうした状況を見てだ、クルマはウスマンに話した。
「悪臭取って城壁も復興させて」
「悪臭のせいで街も動かんかったしな」
「その間のフォローにもな」
「ドラゴンの金使おうか」
「そうするか」
「ここはな、ほなそうした政をする為にも」
是非にとだ、クルマはウスマンにあらためて声をかけた。
「次の場所に行こうか」
「そうするか」
「そしてその政が終わっても」
クルマはさらに話した。
「それがし達のやることはあるしな」
「まだまだな」
「この世界を救うのがそれがし達の目的や」
「ほなその目的の為にもな」
「今はな」
「是非共な」
「次の場所に行こうな」
こうウスマンに言った、そうしてだった。
クルマは先に行こうとした、だがここでウスマンにこうも言った。
「しかし今回はな」
「匂いに苦しめられたな」
「防毒マスクも辛かったし」
今はそれを取っている、だが着けていた時の苦しさは忘れられずそのうえで言うのだ。
「大変やったな」
「神託だけあってな」
「とんでもないもんやったな」
象のその顔を苦笑いにさせての言葉だった、その言葉を出してそうしてだった。クルマは次の場所への一歩を踏み出した。
だがここでクルマの手にあるものが宿り心の中で言葉が語り掛けてきた、それが何かをクルマはウスマンに話した。
「祖霊の仮面や」
「それがやな」
「それがしの新しい神具でな」
言葉をそのままウスマンに話す。
「知力と政治力を上げてくれる」
「そのアフリカの部族の仮面がやな」
「そしてそれがし自身」
言葉はさらに自分の心に語ってきていた、そして自分も実感があった」
「神託を適えて全体的に一回り強くなった」
「それも何よりやな」
「ああ、ほな」
「この二つの力世界に役立てるわ」
こう言ってだった、クルマは歩いていった。神託を適えて得た力をさらに使わんと決意を固めつつ。
ゾンビにならなかったドラゴン 完
2019・8・18
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