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レーヴァティン

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第百十六話 騎馬民族平定その九

「ここはな」
「そうだな、だがな」
「捕虜を得ることも外交の駒になるな」
「相手にとって同胞だ、同胞をどうするかでだ」
「外交が変わるな」
「そうだ、お前は捕虜を粗末にしないな」
「そんなことは嫌いだしな、そんなことをしたらな」
 かえってとだ、久志は正に答えた。
「よくないからな」
「外交上な」
「ちゃんと人間として扱ってな」
「そしてだな」
「あっちが俺達に降ったらな」
「返すな」
 捕虜をというのだ。
「そうするな」
「ああ、それでな」
「ヌミディアは俺達の戦力になってもらうな」
「軽騎兵もいいからな」
 兵種としてというのだ。
「だからな」
「そして遊牧民もか」
「入れるな」
 民族としてもというのだ。
「俺は降るならな」
「それならだな」
「いいからな」
「民族や宗教、文化にはこだわらないな」
「というかこだわることかよ」
 久志は正にこう返した。
「そもそもな」
「欧州の歴史の様にか」
「あそこキリスト教でよくあったよな」
「キリスト教徒でない、いや」
 正はここでこう久志に言った。
「同じキリスト教徒でもな」
「宗派が違うとな」
「殺し合っていた」
「それこそどっちが死に絶えるまでな」
 そこまで殺し合っていたというのだ。
「そうしてたよな」
「ユグノー戦争や三十年戦争でな」
「もう誰彼なく殺してな」
 そのうえでとだ、久志は言った。
「神があの世で見分けるとかな」
「そうしたことはしないな」
「というか俺達の中でそんな奴いるか?」 
 久志は正に問うた。
「十三人の中で」
「一人もいるものか」
 これが正の返事だった。
「そんな奴はな」
「宗派が違ってもな、宗教が違っててもな」
「大した問題ではないな」
「そんなの普通だろ」
 これが久志の考えだった、そして正達もだ。
「ならな」
「ヌミディアもか」
「俺達にこれで降ったらな」
「それでいいな」
「それて働いてもらうさ」
「浮島の統一にな」
「この世界を救う為にもな」
 是非にと言うのだった。
「連中が強いのは事実だしな」
「それならだな」
「軽騎兵隊として頑張ってもらうさ、じゃあここは」
「使者を送るな」
「それで降ればいいさ」
 それでというのだ。
「それで終わりだよ」
「そうだな、ではな」
「使者を送るな」
 こう言って実際にだった、久志はヌミディアの部族の集落に使者をやった、そうして信仰と文化を保証してだった。税を納めればいいとした。
 すると彼等も降ることを受諾した、こうしてヌミディアとの戦いは終わってだった。彼等はカルタゴの勢力圏には手を出さないことも約束した。
 それでだ、久志は一旦兵をカルタゴに戻した。そしてだった。 
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