ドリトル先生と姫路城のお姫様
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第十二幕その十二
「幸せになってね」
「是非だね」
「ええ、そうなってね」
「うん、僕も結婚はね」
「ずっと縁がないって思い込んでいたでしょ」
「そうでもないみたいだから」
お姫様に言われたことを思い出しながらサラに答えます。
「だったらね」
「それじゃあね」
「もうね」
「前向きに考えていくのね」
「そうしていくよ」
こう言うのでした。
「これからはね」
「そうしてくれたら私も嬉しいわ」
「妻はいつもお義兄さんのことをお話しているんですよ」
ここでサラのご主人が先生に笑顔でお話してきました。
「本当に」
「そうなんですね」
「日本で立派に学者として働いている、とても優しくていい人だと」
「生活力はないけれどね」
このことは少し苦笑いで言うサラでした。
「兄さんみたいないい人いないことはね」
「いつも言っているんですよ」
「子供達にも言ってるわよ」
「僕のことをだね」
「ええ、だから日本に永住してもね」
国籍を取ってというのです。
「そうしてもね」
「これからもだね」
「幸せにね」
「過ごして欲しいんだね」
「そうしてね」
サラは先生に湯豆腐を食べつつ言いました、その湯豆腐はとても温かくてそれでこうも言ったのでした。
「湯豆腐って美味しいわね」
「そうだね」
「とても温かくてね」
「お酒にも合って」
「これもまた和食だよ」
日本のお料理の一つだというのです。
「だからね」
「それでなのね」
「サラもまた日本に来たら」
「その時はなのね」
「食べたらどうかな」
「ええ、それじゃあね」
それならとです、サラも頷いてでした。
先生とご主人そして皆と一緒に湯豆腐とお酒を楽しむのでした。暖かい湯豆腐は本当に美味しいものでした。
ドリトル先生の姫路城のお姫様 完
2019・1・11
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