レーヴァティン
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第百十五話 半島の後からその十三
「水もな」
「ありません」
「この地域は水が少ないです」
「ですか農業には適さず」
「遊牧をしています」
「そうだよな、砂漠程じゃなくてもな」
それでもと言うのだった。
「乾燥していてな」
「水は少ないです」
「半島やカルタゴよりも」
「ですからそのことを念頭に置かれて」
「進まれて下さい」
「そうだよな、若し水源を絶たれたら」
その場合のこともだ、久志は考えて述べた。
「一気に形成逆転だな」
「そうだね、じゃあ水源を軸に布陣もして」
淳二は自分から久志に話した。
「そしてね」
「そのうえで戦わないとな」
「そういうことだね」
「普通に決戦挑める状況か」
それはだった。
「あまりな」
「言えないね」
「水源を守りながらな」
「進んでいって」
「戦うか、しかし相手もな」
ヌミディア側もとだ、英雄はさらに言った。
「果たしてな」
「おいら達が領内に入って」
「そのままでいられるか」
「それは違うわね」
「しかも水源を確保するとな」
自分達がとだ、久志はさらに言った。
「余計にな」
「相手にとっても水源だし」
「必死になるな」
「うん、じゃあね」
「相手も俺達が水源を確保するとな」
ヌミディア領内でというのだ。
「水源を奪い返そうとな」
「戦いを挑んでくるね」
「俺としては連中が決戦を挑んできてな」
「それを退けてね」
「そこで降したいしな」
「じゃあここは」
「ああ、水源を確保するか」
自分達が戦う為そして敵を追い詰めて自分達が望む様に動かせる為にとだ。この二つの理由からだった。
久志は軍勢にヌミディア領内で最も大きな水源である湖をだった。
確保した、するとヌミディア側が一気に動いた。
「こっちに来たか」
「はい」
進太が久志に答えた。
「ヌミディア軍の主力七千が」
「殆ど全軍だな」
「こちらに向かってきているでござる」
「そうか、来たか」
「我々から水源を奪い返そうと」
この意図は明らかだった。
「その為にです」
「こっちに来ているな」
「では」
「ああ、来るならな」
久志は進太に強い声で答えた。
「是非な」
「迎え撃ってでござすな」
「そしてな」
そのうえでと言うのだった。
「返り討ちにするな、しかしな」
「それでもでござるな」
「相手は必死だからな」
自分達の重要な水源つまり生命線を奪い返そうとだ。
「そしてな」
「必ず勝つ様なでござるな」
「戦術をで来るだろうな」
「夜襲でござろうか」
「それあるな」
まず、とだ、久志は応えた。
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