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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第十一幕その七

「僕達が篝火にもなっていてね」
「そして暖房にもなっているんだよ」
「僕達がこれだけいれば暖かいよ」
「自然とね」
 こう動物の皆にお話します。
「だから安心してね」
「冬の夜にお外にいてもね」
「暖かいからね」
「冷えることはないよ」
「しかも暖かい馳走に酒じゃ」
 お姫様はこちらをお話に出します。
「暖かくなって当然じゃ」
「それにワインだと」
 先生は動物の皆に飲んでいる酒のお話をします、ビールも用意されていますが先生達は今は飲んでいません。
「身体が暖まるからね」
「あっ、そうだね」
「ワインはそうだよね」
「ビールは身体が冷えるけれどね」
「ワインは身体を暖める」
「だからね」
「そう、それでだよ」 
 このこともあってというのです。
「今僕達は暖かいんだ」
「そうだよね」
「それじゃあね」
「この暖かさも楽しんで」
「宴を続けるんだね」
「花火は終わった」
 それならと言うお姫様でした。
「では次はライトアップとじゃ」
「イルミネーションですね」
「その二つじゃ」
 亀姫に笑顔で答えました。
「これからはじまるぞ」
「それでは」
「さて、その光じゃが」
「あれですか?電気も」
「ははは、それもよいがじゃ」
 それでもと笑ってです、お姫様は亀姫に答えました。
「妾達は妖怪じゃな」
「では妖怪ならではのですね」
「光を使った」
 ライトアップとイルミネーションにというのです。
「妖怪蛍じゃ」
「あれですか」
「うむ、あの者達に命じてな」
 そうしてというのです。
「ライトアップとイルミネーションをさせた」
「その二つを」
「ではな」
「今からですね」
「見せようぞ」
 お姫様は両手をぽんぽんと叩きました、するとです。
 天守閣が白い光でライトアップされました、天主閣の光が照らされてそうしてなのでした。
 夜空に照らし出されます、そしてお城のあちこちにです。
 白や赤、青、黄色、緑、橙、紫と様々な光でお姫様や妖怪達が映し出されました。その光の姿を見てです。
 亀姫はこう言いました。
「これはまた」
「どうであろうか」
「素晴らしいですね」
「うむ、妖怪蛍は一色だけ出すのではないのう」
「様々な色の光を出せますね」
「だからじゃ」
 それでというのです。
「あの者達に命じてな」
「ライトアップとイルミネーションをさせたのですか」
「左様じゃ、しかも妖怪蛍は死なぬ」
 蛍の寿命は短いですが。 
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