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リュカ伝の外伝

作者:あちゃ
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父と娘と男と女⑤

<グランバニア>
ティミーSIDE

自室に天空の剣を置き、みんなの所へ戻ろうと廊下を歩いていると、ポピーとコリンズ君に文句を付けられた!
「アンタ尋常じゃないくらい汗臭いわよ!私に遠慮しないでいいから、先にお風呂へ入りなさいよ!」
失礼なのか優しいのかよく分からない…
「俺達はもう一汗かくから、先どうぞ!お前はもう汗かく事ないだろ!?」
はい。失礼なだけでした。


お言葉に甘えて(?)先に入る事にした。
脱衣所で服を脱いでいると、浴室に先客の気配が…
脱衣籠には紫のターバンが…

(ガチャ)
僕の後ろで浴室への扉が開く音がした。
慌てて振り向く…

その時僕は、時間が止まる事を心から祈った…
そこにいたのは驚いた顔のリュリュ!
濡れた黒髪、細い体に反比例する大きな胸、括れたウエスト、そして…
手を伸ばせば届く距離に裸のリュリュが居る!

風呂上がりのリュリュは色っぽい…
どうすればいいのか、どうしたらいいのか、分からない………
リュリュの視線が僕の腰に向かう。
僕もつられて視線を移す…

!!!
僕は裸だった!
慌てて脱いだ服を掴み股間を隠す!
「ごめん!!し、知らなかったんだ!!ごめん!!」
しどろもどろになりながら脱衣所から廊下へ逃げ出す!
壁にもたれかかり大きく深呼吸をする…

「……ったく!ヘタレねぇ~…」
「あんな美味しいエサを前に逃げ出す意味が分からんな!」
廊下では事の次第を見守るバカップルが1組…

「お、お前等…!リュリュが入浴中なの知ってたな!」
「知ってたに決まってるじゃない!」
「な!ふ、ふざけるな!!」
「ふざけてないわよ!私達の為に、お父さんに立ち向かってくれた優しい兄へ、お礼をしたかっただけよ!」
「そうだぞ!ヤったもん勝ちだぞ!」
何で僕はコイツと親友なんだ?

「あのねぇ~…何れリュリュにも彼氏が出来るのよ!それを指くわえて見てるの?どっかのバカ男に犯されちゃうのよ!いいの!?」
ぐっ!
正直…良くない…!
でも、リュリュの自由を束縛する権利は僕にはない!

「お前等の言い分だと、リュリュの心を無視してる!」
「心なんて後から付いてくるわよ!」
「うるさい!いい加減にしろ!僕とリュリュは兄妹なんだ!そう言う関係になるつもりは無い!」
「兄妹が何よ!血の繋がりが何だって言うのよ!そんなの気にする必要無いわよ!好きな人と結ばれるのが良いに決まってるじゃない!」

「だったら僕はリュリュの気持ちを優先する!リュリュが好きな人と結ばれる事を祈る!リュリュが僕の事を好きだったら、お前等の誘いに乗ってやる……が、それが分からない以上この話は終わりだ!!」
僕は一気に捲し立て二人を恫喝する。

「………(プッ!)裸でチンコ隠してなければ格好いい台詞なのに…その姿じゃぁ…」
こ、この女は~!!
(ガチャ)
脱衣所の扉が開き、リュリュが姿を現す。

「ごめんねティミー君。…どうしたの?随分騒いでたでしょ!内容は分からなかったけど、ティミー君の声聞こえたわよ!」
「な、何でもないよ!!気にしないで…」
僕は慌てて誤魔化した。
こんな内容話せる訳がない!

「…うん…分かった…あの、ティミー君…」
リュリュは納得してないのか、俯き口籠もる。
「何?どうしたの?」
「あ、あのね…ティミー君さっき…自分の服掴んで出て行った時にね…あの…私の…パンツ…一緒に持って行っちゃったの…」
…………………………

「何アンタ!?妹のパンツ、股間に押し当ててんの?どんだけ変態なのよ!?」
「ご、ごめん!!い、今か「ティミー君!落ち着いて!兎に角脱衣所へ入ってからでいいから」
僕は慌てて脱衣所に入る!




「…で、ティミー!パンツは返したの!?変な事に使わなかった?」
ポピーの台詞でリビングのみんなが僕を見る。
「か、返したよ!」
返したけど…ちょっと変な事に使ってしまいました…ごめんなさい…

「ポピー!ティミーを苛めるのはヤメなさい!純情男子なんだから!」
お父さんにフォローされた…屈辱です。
「それよりリュリュ!お父さんはパンツよりも、その抱いてる卵の方が気になるのだが…?」

「だから言ったでしょ!地獄の帝王エロティックよ!」
「も、いい加減にして!エスターク様だから!」
バトラーが涙目だ…可哀想…
「アンタもいい加減分かりなさいよ!ワザとだっつーの!」
何でコリンズ君はこんな女に惚れたんだ?

「ちょ、まって…さっきの地獄の帝王の件って本当だったの!?」
「お父さん本当なの!そして、この卵がエスタークさんの子供なの」
「何でそのエスニックの子供を、持って帰って来ちゃったの?」
「こ、この親娘は~………」
怒りに震えるバトラーを無視してお父さん、ポピー、リュリュは話を進めてく。

「だってポピーちゃん、この卵を壊そうとするのよ!」
「何言ってるの!地獄の帝王よ!人間を滅ぼそうとするかもしれないじゃない!」
「そんなの分からないじゃない!…あんな洞窟の奥に一人で居たら、性格も歪んじゃうかもしれないけど、みんなで仲良くすればお友達になってくれるわよ!」
リュリュは優しい良い子だ!

「うん。お父さんもリュリュの意見に賛成だ!将来邪魔になるからって殺してたら、光の教団の魔族達と同じだよ」
確かにその通りだ…まだ幼い勇者を捜す為に世界中の子供を攫って奴隷にしてたんだ…
お父さんも被害者の一人だ!

「むぅ!…分かってるわよ!リュリュが正しい事は…」
ポピーは頬を膨らませむくれる。
あ!ちょっと可愛いな!

「お父さんアレでしょう!私に彼氏が出来て処女じゃなくなってるから、私の意見に反対するんでしょ!」
「おいおい…酷いなぁ…確かに、父離れをした非処女の娘より、悪い虫の付いてない処女の娘の方が可愛いけど…」
言わないよ普通!
本人達の前で、娘達の前で、母親達の前で…そう言う事言わないよ!

「何よ!分かんないじゃない!もう、処女じゃないかもしんないじゃない!男、沢山侍らせてるかもしんないじゃない!!」
「わ、私まだ処女です!!」
思わず叫んでしまい顔を赤くして俯くリュリュ…
よ、良かった~…リュリュまだ処女だったぁ~!

「何、ホッとした面してんだ!」
コリンズ君が小声で話しかける。
「うるさい、黙れ!」
ニヤけ顔のコリンズ君がムカつく!

「なに?彼氏の一人も居ないの?」
「居ません!」
「好きな男性は?」
「好きな人は…居ます…」
何!?誰だ!?誰なんだ!?

「ねぇねぇ!誰よ!?教えなさいよ!もしかして…『お兄ちゃんが好き♥』なんて言う?」
だったら嬉しい!本当に嬉しい!
僕も告白してしまう!

「おしいけど違います…」
え!?
「じゃぁ誰よ!」
もういい!ポピー、もういいから!!ヤメロ!聞きたくない!!
「…お、お父さんが好きです♡」
………………………………………

「また、アンタか!!!」
思わず叫んでしまった…
分かってる…理性では分かってるのだが…

「ど、どうしたのティミー君!?」
驚くリュリュ…
「し、失礼…でも、何でお父さんはそんなにもてるんですか!?チャランポランで、至る所で愛人つくって、子供までつくって…」
「あはははは!1個も言い返せない!でも何でだろうね?」
このチャラいノリがイラつく!

「ご、ごめんね!ティミー君が怒るとは思わなかったから…ごめんなさい…」
「いや…リュリュのせ「しょうかないのよリュリュ!ティミーはリュリュの事が大好きなのよ!」
「え!?そうなの?」
「………はい……初めて会った時からずっと…」
こんな形で告白するなんて………

「やっと告ったか!このヘタレめ!」
僕はポピーを睨み付ける。
「ヘタレも何も、兄妹なんだぞ!告れるわけないだろ!」
「何で兄妹だと告れないのよ!?兄妹だろうが親娘だろうが、好きだったら好きって言えば良いのよ!」
「い、言えるわけないだろ!!」

「そうよね、アンタには言えないわよね!『兄妹だからそういう関係にはなれません!』って断られたらイヤだもんね!」
そうだよ!兄妹なんだよ!僕等は…
「守りに入ったムッツリスケベだからもてないのよ!何も言わず、何も言えず、ただひたすら思い焦がれているからもてないのよ!」

「あのねティミー君。私、魔界へ行った事で分かったの。お父さんが格好いい訳が」
え!?お父さんは一緒に行ってないのに?
「魔界ってね、凄く空気が重くて怖い所だったの。でも、お父さんが一緒だったらきっと怖くなかったと思うの。いつもの様におチャラけた雰囲気で和ませてくれると思うの」

「そうなのよリュリュ!私達お父さんと旅をしててダンジョン内で怖いと思った事ってそんなに無いの!お父さんが居るってだけで安心感があったのよ!」
確かに…いつも安心感はあったけど…
「ティミー君は真面目だけど…真面目すぎるの!でも、そこがティミー君の良い所だから落ち込まないで、元気出してね!」

あぁ……………
今日は散々な1日だ……………
もう疲れた……………
リビングでは僕のヘタレっぷりで話が盛り上がっているが、僕はもう寝ます………



朝起きたら、枕の横にパンツと一緒に1枚のメモが…
『元気出してね、お兄ちゃん。私の脱ぎたてパンツを好きに使っていいからね!最愛の妹ポピーより♥』
…………………………
アイツ大嫌いだ!!!

ティミーSIDE END



<グランバニア>
リュリュSIDE

昨晩はグランバニアにお泊まりしました。
やっぱりお父さんは王様なんですね…
客間のベットなのに、凄く柔らかくて寝心地がいいです。

朝起きたら、卵にヒビが入ってました!
壊れちゃったのかと思ったけど、中でカタカタ音がします。
生まれる寸前の様です。

みんなに知らせようと、卵を持ってリビングルームへ行く途中、大声で怒っているティミー君に遭遇!
凄い勢いでポピーちゃんの部屋に怒鳴り込んで行きました。
でも、すぐに顔を真っ赤にして出てきちゃったの。
私もちょっと中を覗いて見たら、コリンズ君とエッチしている最中でした!
鍵くらい閉めればいいのに…


私は気を取り直してお父さんに報告!
「卵から赤ちゃんが出てきそうなの!」
「うん。可愛いのが産まれると良いね」
お父さんは優しく頭を撫でてくれました。
お父さん大好きです。でも、親娘だから結婚は出来ないんだよね…残念です。

暫くして卵の中からエスタークさんを小さくした子供が産まれました。
お父さんがそれを見て、
「可愛くないなぁ~」
だって。

そうしたら小さいエスタークさんが、
「何でしゅか!しょの言い方は!初対面で失礼でしゅよ!」
って。
私は可愛いと思います。

協議の結果『プチターク』に名前が決定しました。
ビアンカさんのネーミングセンスって可愛いです。

あぁ、楽しい1日だった…
また、みんなと一緒に冒険したいなぁ…
今度はお父さんと一緒がいいな!

リュリュSIDE END



 
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