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レーヴァティン

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第百十五話 半島の後からその七

「それでや」
「十日かかったんだな」
「カルタゴは湖に出てな」
「その水運で栄えてるよな」
「農業もええけどな」
 それだけでなく、というのだ。
「やっぱりあそこは水運を活かしての商業やろ」
「それがメインだよな」
「そやからもっと水運に力入れたいが」
「入れられない事情があるんだな」
「あそこの陸軍は傭兵を主としたもんでそこそこやが」
「ああ、その陸軍がか」
「最近ヌミディアとかの周りの国にちょっかい受けててな」
 軍事的な挑発を受けていてというのだ。
「それで困っててや」
「俺達に助けて欲しいか」
「そう言ってきたんや」
「カルタゴはもう俺達の勢力圏に入ったんだ」
 それならとだ、久志は美奈代にすぐに答えた。
「それならな」
「カルタゴを助けるな」
「あとどのみち南岸は全部勢力圏に入れるつもりだしな」
 それでと言うのだった。
「ヌミディアも何処もな」
「勢力圏に入れるしな」
「だからな」
 それでと言うのだった。
「どのみちだよ」
「カルタゴの問題は何とかするか」
「ああ、今から主力を率いてカルタゴに入るか」
 久志は当初の予定通りそうすることを今言った。
「半島の守りを固めたうえでな」
「そうですね、どのみちそうするつもりでしたし」
 源三も賛成の意を述べた。
「では」
「ああ、船団の用意をしてな」
「カルタゴにですね」
「十万の兵を送ってな」
「そしてカルタゴを拠点として」
「南岸の統一を進めるな」
「それでは」
 こうしてだった、久志は十万の大軍をローマから船でカルタゴに送った。勿論自分達もだ。半島の守りは夕子に任せた。
 そしてローマを出る時にだった、久志は留守を預かる夕子にこう言った。
「じゃあな」
「はい、半島はですね」
「しっかりと守ってくれよ」
「騎士団や王国が来ても」
「それで政もな」
 そちらもというのだ。
「しっかりとな」
「守ってですね」
「ああ、そしてな」
 そのうえでと言うのだった。
「留守はしっかりとな」
「そうさせて頂きます」
「俺達は南岸を統一してな」
「そして古王国もですね」
「あの国もな」
「手に入れられますね」
「ああ、あの国はあの国でな」
 南岸の東にあるこの国もというのだ。
「倒すからな」
「では」
「ああ、それまで頼むな」
「わかりました、そして人材もですね」
「これまで通り集めてくれよ」
「それでは」
「あと半島の兵やものをだ」
 芳直も言ってきた。
「カルタゴにだ」
「始終だよな」
「十万の兵や俺っちだけでなくな」
「必要に応じてな」
「運び込む、カルタゴ自体の生産力も頼りになるが」
「カルタゴだけに頼らずな」
「さらにだ」
 芳直はさらに話した。 
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