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レーヴァティン

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第百十五話 半島の後からその二

「本当に考えてな」
「領土を拡大したか」
「そうだよ、じゃあな」
「これからだな」
「そのことを話すな」
「聞かせてもらう」
 英雄は語る久志に正対しそのうえで述べた。
「これからな」
「それじゃあな」
 二人で話してだ、そしてだった。
 久志は自分達の話をはじめた、彼の話もまた大きなものだった。
 久志達は半島を統一し彼が英雄に言った通り穀倉地帯と商業地域それに水運といったものを手に入れた。
 それだけでなく陸と水両方の軍勢と人材も手に入れた、だが久志はそうしたものを手に入れてもわかっていた。
 これが終わりではない、それで彼はローマの自身の執政官の宮殿において仲間達に対してこんなことを言った。
「これからどうするかだな」
「それやな」
 まさにとだ、美奈代が応えた。今一同は円卓に座って話をしている。
「半島は統一した」
「ああ、じゃあな」
「これからどうしていくか」
「どう勢力を拡大するか」
「そのことを考えてな」
「実際に行動に移す」
「そうしないとな、それでな」
 久志は美奈代にあらためて話した。
「どう勢力を拡大するか」
「何処に兵を進めるか」
「それが問題なんだよな」
「半島は浮島の結構な地域に行けるで」
 美奈代は久志にあらためて話した。
「陸からは」北東の騎士団、北西の王国にな」
「東の諸港同盟ともな」
「陸続きやしな」
「それで水運を使えば」
 美奈代は今度はこちらの話をした。
「西のな」
「お前がいたところにもな」
「行けるで」
「そうだよな」
「そして水運で南にもな」
「シチリアからマルタ島をさらに下がってな」
「あちらにも進めるで」
 こう久志に話した。
「そう出来るで」
「そうだな、色々進めるな」
「そやから迷うな」
「ああ、どうしたものかな」
「北の騎士団と王国は厄介だね」
 今度は剛が言ってきた。
「何といっても」
「ああ、どっちも人口が多くてな」
「軍隊もかなりのものだからね」
「この浮島の二大国だよな」
「うん、うちを入れたら三大だよ」
「三大にすると一番落ちるのはこっちだな」
 英雄はまた言った。
「そうなるな」
「そうだね、どうしてもね」
「じゃあな」
「どうするのかな」
「ちょっと今は浮島全体の情報を集めるか」
 英雄は矛先ではなくこのことを決定した。
「半島の内政と軍隊の整備を進めながらな」
「今は動かないんだ」
「すぐにはな」
 剛の問いにはこう返した。
「それはな」
「それでだね」
「ああ、今はな」
「そうするんだね」
「そして情報を集めてな」
「その情報を分析してね」
 淳二が言ってきた。 
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