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ほんわかホリデー

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第一章

               ほんわかホリデー
 若宮神楽は剣道部の京都府のとある高校の二年生である、段は二段であり府の大会で優勝したこともある。将来は部長にとも言われている。
 だがその神楽が只一勝てない相手がある、それは三年生で部長である小原千花である。
 千花は幼稚園の頃から剣道をしていてとにかく強い、段は三段であり男でも勝てず全国大会で優勝さえしている。
 だがその千花の普段はというと。
 薄茶色の髪の毛はウェーブかかかったセミロングであり穏やかな顔立ちをしている、大きな目は優しく口元も穏やかだ。
 胸が大きくそれが目立つスタイルだ、背は一五四位でやや小柄だ。性格もほのぼのとしていて怒ったところや声を荒くさせたところを誰も見たことがない。
 その為部活では癒し系部長と言われている、とにかく優しく温厚な性格だ。そしてやること為すことが抜けていてだ。
 それでだ、神楽は言うのだった。神楽は背は一六〇程で千花より高い。全体的にすらりとしたスタイルで胸のところまである黒髪を後ろで赤いリボンで束ねている。やや吊り目でクールな感じの目が印象的で口元も引き締まっている。全体的にクールな感じで部ではしっかり者として知られている。その神楽はいつも千花に言っていた。
「部長、もっとです」
「しっかりとよね」
「はい、そうして下さい」
 こう千花に言うのだった。
「部長ですから」
「私そんなにしっかりしてない?」
「かなりと」
 神楽は一言で答えた。
「申し上げます」
「そうなのね」
「もっとです」
 千花に真面目な顔で言うのが常である。
「しっかりして下さい」
「そう言うけれど」
「部長としてはなのね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「部長なのですから。剣道は強いのに」
「子供の頃から毎日してるし」
「成績優秀なのに」
 それでもと言うのだった、神楽も。
「どうして普段は」
「ううん、そう言われても」
「個性ですか」
「だからね」
 それでと言うのだった、千花にしても。
「そうしたことは」
「言われてもですか」
「そう、だからね」
「仕方ないですね」
 神楽は千花が嫌いではない、むしろその性格に癒されることばかりだ。そんな彼女に対してからさこう返した。
「じゃあ周りは任せて下さい」
「そうしてくれるのね」
「部長はいい人ですから」
 それで嫌いではない、むしろ好きだからというのだ。
「フォローさせてもらいます。ただ」
「ただ?」
「部長この前体育の時間半ズボンからショーツ見えてましたよ」
「えっ、嘘」
「性格に言うとラインが」
 ショーツのそれがというのだ。
「はっきり出てましたよ」
「サポート穿いてなかったから?」
「そこ気をつけて下さいね」
 神楽はこのことは真剣に注意した。
「うちの学校の体操服の生地薄いですから」
「半ズボンのはね」
 膝までの緑の半ズボンだ、上は白の体操服だ。
「だからなのね」
「はい、ですから」
「体育の時はなのね」
「サポート穿き忘れてると。同じ時間にグラウンドで体育していて驚きましたから」
 千花の半ズボンにショーツのラインが出ていてというのだ。 
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