仗助にもしも双子の姉がいたら?ネタ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
激動する物語(side:吉良吉影)
前書き
オリジナル回。
前回、早人が承太郎に接触したことで……?
なぜこうなった?
私は、自問自答する。
「そっちに行ったのか!?」
「ううん、違う! 20メートル先だよ!」
なぜこんなことになった!?
私は、逃げる。
小十分前だろうか?
私は、足を引きずりながら思い出す。
空条承太郎達が、川尻の家に尋ねてきていた。奴らのそばに、早人がいた。そして、私はすべてを察した。
早人は、私が川尻浩作ではないことを奴らに打ち明けたのだと。
よりにもよって、『彼女』を連れて帰ったところだった。
その後のことは、思い出したくもない。
『じゃから言ったじゃろう! この町か出て行くべきだと!』
「うるさい!」
私は、写真の父にそう叫んでいた。
杜王町から逃げ出す? そんなことができるわけがない! 私は、この町から出ない!
この私が追って来る者を気にして、背後に怯えたり、穏やかでも安心もできない人生をおくるのはまっぴらだということを知っているだろう!
しかし、なぜだ!?
なぜ奴らは、私が吉良吉影だという、確固たる確証を得たのだ!?
「理由なんざ。簡単だぜ。」
「!?」
「お前さんの、ドス黒い殺人鬼の狂気は、ココによーく映っておるわい。」
曲がり角から現れた、空条承太郎と、老人が、手にしているのは、私が『彼女』を手にした瞬間の写真だった。
馬鹿な…!?
「まあ、もっとも…、この念写ができたのは、ミナミの協力があったこそじゃったがのう。」
「ミナ…ミ…?」
なぜ彼女の名が出る?
「ミナミの手を汚させる前に、すべてを終わらせる。そのつもりで来たから、覚悟しな。」
なぜ…? ミナミが…? 私を?
「見つけたぜ! 吉良吉影ぇ!!」
あ…、あの『青』は…。
なぜ、仗助の目が、ミナミと同じ色をしている?
『逃げるんじゃ、吉影ぇぇぇぇ!!』
「ハッ!?」
その時、私の足下から、無数の鮮血色の植物の根っこが生えてきた。
『ぐおっ!』
私の父が、私を庇い、その根っこに貫かれた。
写真から青いバラの花が芽を出し、咲こうとした。
その時、カラーンっと落ちた、矢が、ひとりでに私を狙うように動いた。
『お…おおお…! 矢が…わたしの息子を…、た、頼む…、矢よ…、息子を救ってくれ!!』
そして、私は、矢で頭部を貫かれた。
そして、私は気がつくと、川尻家の寝室にいた。
あれは…、夢だったのか?
そういえば、父がいない…。
「あなた。おはよう。朝ごはん出来てるわよ。」
「あ、…ああ。」
しのぶが入って来て私にそう言った。
やはり夢か…。
「あら? こんなところに…、この写真、破れてるし、何も映ってないわ。」
「!」
しのぶが拾い上げた写真は、父が乗り移っていた写真だったモノだ。
だが無残にも真ん中から貫かれたように破れており、父は、まるでそこに最初から映っていなかったかのように消えていた。
「……これは…、バラの花? 造花にしてはよく出来てるわね。」
さらにしのぶが床に落ちていた、赤い茎の青いバラの花を拾い上げた。
あの青さは…、ミナミの目の『青』をなぜか連想させた。
ぞうか? 造花だと? あんな精巧な造花があるのか? なにかヤバい予感を感じさせる。
「とりあえず、机に置いとくわね。」
しのぶは、バラの花を机の上に置き、部屋から出て行った。
しのぶが出て行った後、私は、青いバラの花を見つめた。
鮮血のように鮮やかな茎の色は、あの夢に出てきた鮮血色の植物の根っこを連想させる。
いや…違う…、同じだ…。
この花は、あの根っこから咲いたものだ!
落ち着け! あれは、夢だったはずだ!
承太郎達に見つかり、吉良吉影として始末されそうになった夢など……、夢?
もし、もし…あれがこれから実際に起きることであるなら、私はこのままでいていいのか?
このまま過ごしていれば、いずれ、早人が何かしらの方法で承太郎達と接触し、私が吉良吉影だというヒントを与えに行ってしまうのではないか?
早人を始末しなければならないのではないか!?
いや、ダメだ! 今始末すれば、何かしら怪しまれる!
何か…、何かがあるのではないか? 早人を承太郎達へと導いた何かが!? この町にあるはずだ!
それを防がなければ、私は、やがて……。
ユルサナイ
「……貴様は…誰だ?」
ニガシは、シナイ
「質問に答えろ!!」
ワタシは、……ワタシ
「………『女』…か?」
コノ町に、イルカギリ、ワタシは、オマエを
「なるほど…、この杜王町にいるのだな?」
コ ロ ス
「やれるものならやってみるがいい!!」
その時、床から、壁から、天井から、鮮血色の植物の根っこが生えてきた。
やはり、スタンドか!
私は、キラークイーンに根っこを攻撃させた。
根は脆く、殴れば簡単に破壊できた。
だが、まったくきりが無い。無限に近いと行っていいほど次から次に生えてくる。
やがて、私の頬を、根っこが引っ掻いた。その傷口から青いバラの花が咲いて落ちた。
これは…、私は何か奪われたような気がした。
このままでは、じり貧だ。どうする…?
「あなたー。遅いわよ。」
その時、戸をしのぶが開けた。しのぶが入ってくる直後、根っこは消えた。
「……どうしたの?」
「…君では…ないのだろうね?」
「何を言ってるの?」
しのぶではないか…。
ならば、なぜ消えた?
見られると困るのか?
疑問は尽きないが、ひとまず、今日は会社を欠勤しなければならないようだ。
赤い根っこと、赤い茎の青いバラの花を扱うスタンド使いを見つけなければならないからね。
後書き
バイツァ・ダストが発動したのかどうか、微妙なライン。
どこからが夢なのか現実なのか分からないが、このままでは夢の通りになると判断した吉良吉影は、現実にしないために行動を起こすことを決める。
そして、吉良の親父、死亡。
魂のエネルギーを、バラの花にされました。
ページ上へ戻る