仗助にもしも双子の姉がいたら?ネタ
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川尻早人は、青いバラと出会う(三人称)
前書き
オリジナル回。
もはやここまで来ると、原作改変?
川尻早人が、ブルー・ブルー・ローズに導かれ……。
川尻早人は、天邪鬼で、疑り深い。
理由は、自分が両親から愛されて生まれたのかという疑問からだった。
川尻家の夫婦は、悪く言えば冷めていた。
11歳の早人から見ても、それは明らかであり、母・しのぶは、わざと家事を怠って見せたり、それに怒らない父・浩作も浩作だ。
だからこそ、彼は、両親の愛を求めたのかも知れない。だからこそ知りたいと思ったのかも知れない。
11歳という幼さからは想像も出来ない技術力をもってしって家の中に監視カメラを仕掛け、父と母の様子を観察すること。それがいつしか日課になっていた。
そうやって二人の様子を見て、自分が愛の末に生まれたのかという疑問を解こうとしていた。
しかし、ある日を境に、父・浩作の様子がおかしくなった。
まず手料理をしたこと。
次に、異様に爪切りをすること。
ノートに何度も何度も自分の名を練習するように書いていること。
それまで夫に冷たかった母がそんな父の奇行に、妙に熱っぽくなったこと。
家の中に土が入った植木鉢を運んでいたこと。
この間など、父は、家中に響くような大声を上げてうなされていたらしい。なぜかその日、朝起きると、右手の爪から出血していたそうだ。(おまけに寝坊。急いで出勤する姿が見られた)
学校が休みだったため、早人は、両親の寝室に入った。
何もなく怪我をしたなら、何か凶器になるようなものがあったはずだろうという思い立ちだった。
ベットの傍の床には、血が転々とあった。父の爪から垂れたものだろう。
見たところ、凶器になりそうなモノはどこにもなかった。
すると、ベットにかけられている毛布の端がモゾモゾと動いた。
何かがいる? っと思いつつ、母が可愛がっている野良猫かも知れないとも思いつつそこを剥いだ。
そこにあったのは、鮮血色の根っこだった。
シュルシュルと蠢いていて、早人は思わず悲鳴を上げかけた。
鮮血色の根っこは、やがて、早人の姿を確認したように動きを止め、フッとベットの下から消えた。まるで最初から無かったように。
早人は、ハッとしてベットの下を確認した。だがそこにはもう根っこは無かった。
気のせいだったのかという考えが過ぎったとき、コンコンっと、部屋の窓が外から叩かれる音がした。見ると、窓の外にあの根っこがいた。そして窓を叩いていた。
早人が見たのを確認したのか、根っこは、フリフリとこっちだと言わんばかりに根っこの先端を振って下へと移動した。
慌てて、窓を開けると、根っこが壁を伝いながら、地面に移動していくのが見え、やがて玄関の扉前から、外の道へと移動した。そして、こっちこっちと言わんばかりにフリフリと動いていた。
なにアレ…? っという疑問がまず浮かぶが、子供心による好奇心と根っこの奇妙さが早人を導き、早人は、部屋に急いで小型の録画カメラを手に、外へ飛び出した。
根っこは、早人の前を、ピョコピョコと飛び出しながら、地面を移動し、やがて、杜王町で一番大きな病院についた。
根っこは、地面どころか病院の床をも移動し、早人を導く。その間、不思議な力が働いているように、早人は病院の人間から声をかけられることもなかった。
やがて、VIPが入院するような階層の病室の前に導かれた。
根っこが伸び、病室の扉を開く。
早人がこっそりと中を覗くと……。そこには、ベットの上に一人の女性がいた。
赤い茎の赤いバラの花がベットの周りに囲うように敷き詰められ、ベットの上に座っているだけなのに、窓から差し込む陽光を浴びて、その姿は、女神のごとく美しく見えた。
その美しさに放心していると、やがて、『君! そこで何をやっているんだ!?』っと注意する声が聞こえた。
早人は慌てて逃げようとして、ちょうど来ていた、長身の人物の足にぶつかった。
195センチはあろうかという長身に、白いコートをまとった迫力ある男性だった。
「子供?」
「すみません! すぐつまみ出しますので!」
「待て。」
しかし、早人は長身の男性が止めた隙に逃げようとした。
だが、長身の男の横を通り過ぎようとした直後、なぜか、男の前に戻されていた。
その現象に、ハテナマークが大量に浮かんでいると。
「どうやってここに? 少しだけ話をしないか? ボウヤ。」
目線を合わされ、有無を言わさない迫力に負けた早人は、思わず頷いた。
美しい彼女がいる病室に通され、部屋にある椅子に座らされて、ジュースを貰った。
「それで? 君はなぜここに?」
早人は、ジュースに目を落としながら、ボソボソと、赤い根っこが…っと普通なら信じられないような話をした。
しかし、男は疑うことなくジッと聞いていた。
すると。
「すまないが。君の家族構成を教えてはくれないか?」
なぜそんなことを聞かれなくては?っと思ったが。
「それと、近頃、親の様子がおかしいとか、なかったか?」
思わずドキッとした。
「そこにいる…、彼女の“守護”が、君をここへ導いたのは、必ず意味がある。頼む、教えてくれ。君の名と、親の名を。この町にこれ以上の悲劇が起こる前に。」
何を言っているのか分からなかった。
けれど、男は真剣に言っているのは分かった。
けれど…、早人はすぐに答えられなかった。
答えてしまえば、今までの日常の全てが壊れるという無意識の恐怖がそうさせたのだ。
「……おしえ…て…。」
美しい女性が、弱々しい声で言ってきた。
見ると、女性は、泣いていた。
その涙を見て、早人は意を決したように、口を開いた。
後書き
これで、バイツァ・ダスト発動の条件は揃ったかな?
これ以上無いほど追い詰められないと身につけられなかった、発動しないスタンド能力なのでとことん、追い詰めたいと思います。
割愛してますが、仗助達は、吉良の親父が量産したスタンド使いをそれぞれ撃破してます。
これ、今後の展開によっては、消して書き直すかも……。
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