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仗助にもしも双子の姉がいたら?ネタ

作者:蜜柑ブタ
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ブルー・ブルー・ローズ その2

 
前書き
ブルー・ブルー・ローズに再び導かれ……。



ミナミが、キラさんを、吉良吉影として知ります。 

 


 ブルー・ブルー・ローズを、またよく見かける。
「……またぁ?」
 私が呆れながら聞いても、ブルー・ブルー・ローズに口は無いため、答えは得られない。
 仕方ない、これも何かの導きということで、私は、またブルー・ブルー・ローズの導きに従った。

 私は、やがて、クツのムカデ屋という店の前に来た。
 あれ? 窓が……。
 店の中で、ブルー・ブルー・ローズの根っこが、こっちだと言わんばかりに、フリフリフ振られている。
 私は、少し用心しながら店の中に入った。

「あれ? 誰もいない?」

 店に入ってみると、お店の人すらいなかった。

 なんだろう…? 店の中が…争ったみたいにグシャグシャだ!
 ガラス製の店内を見渡せる部分も内側から破壊されたみたいだ。

「ねえ…、何があったの? 私をどこへ導こうとしているの?」

 けれどブルー・ブルー・ローズは、答えてくれない。
 ブルー・ブルー・ローズは、店の奥の方へと移動する。
 血が…血の跡がある!
 誰の血? 店の人?
 お店は、家と一緒になっていたらしく、扉の向こうは普通にどこにでもある家庭のようだった。
 血は、ずっと続いている。途中にある証明がすべて壊れている。
 台所もメチャクチャだ。
 その奥の裏への壁が扉ごと破壊されてる。
 ブルー・ブルー・ローズがこっちだと移動した。
 私は、その奥へと移動しようとして立ち止まった。


「初めてだよ。ここまで追い詰められたのはな……。」


 この声は……。

「なんか、ちょっとした『敗北感』まで感じるよ…。まったく敬意を表するよ、たいしたヤツだ、君は。」

 キラ…さん?

 私は、爆発らしき破壊で破壊された壁の穴から外を見た。

 あの背格好は…、スーツは、キラさんだ!
 それに、空条さんが血だらけだし…、広瀬君が…。
 小さめの人型のスタンドを踏みつけているのは、猫のような頭した人型スタンドで…。
 って、ああ!
 広瀬君を殴った!
 どういうこと? どういうことなの?

「これから、君をなぶり殺すからな。」

 こ、殺す?
 キラさんが? 誰を? 広瀬君を!?

「君の友人が来るまで、1分とちょっと…、じゃなきゃ公衆の面前で『赤っ恥のコキッ恥』をかかされた、この気分がおさまらない。」

 うそ…だよね?
 キラさんが……、そんなのって…。

「うぐぁ!」
「おいおい…。妙な叫び声をあげるんじゃないぞ。」

「広瀬君!」

「えっ?」
 我に返った私は、飛び出していた。
 キラさんが、こちらを見た。
 ああ…、キラさんだ…。間違いないよ…。
「なぜ…君がここにいるんだい?」
 ドッと汗をかいた様子のキラさんの声が少し震えていた。
「み、ミナミさ…逃げ…、こ、いつ…は…。」
「お前は、黙っていろ!」
「ぐぇ!」
「その足をどけて!」
「ミナミさん…、悪いが今、とても…とりこんでいるんだ。後ろを向いて、この先の道の曲がり角を曲がって待っていてくれないかね?」
「…従うと…思ってる?」

 ヨクモ…

「頼むよ…。私は…、目撃者としなってしまった君を始末しなくないんだから!」
「あなたなの…? 空条さんと、広瀬君を……。」

 ヨクモ!

「君には、関係のないコトだ! 頼むからここを立ち去ってくれ!」
「広瀬君から足をどけろーーーー!!」

「吉良吉影…。それが…おまえの、本名だ。」

「ハッ!? 免許証…!」
 広瀬君がサイフから落ちていた免許証を見てそう言った。
「きら…よしかげ…。」
「うっ!」
「お前…、ミナミさんを殺したくない…んだろ…? これで…本名…しら…れて…、殺したくないミナミさんは、これでお前にとって始末すべき相手になってしまったぞ? ミナミさんを殺したくない、理由は、分からないけど…。」
「お…、き、貴様ぁ!!」
「お前は、馬鹿丸出しだ! 自ら弱点を、こんなちっぽけなガキにさらけ出したんだからな!」
「広瀬君!」
「ごめんね…。ミナミさん…、巻き込んじゃって…。由花子さんにも…ごめんって、言っといて…。」
「おおおおおおおおおおお!!」
 猫のような頭した人型スタンドが広瀬君に向けて拳を振り下ろそうとした。
 私が動こうとしたとき、急にガクンッと力が抜けた。

 こんな…時に……! なんで!?

 私の頭上で、ムハ~っという息づかいが聞こえた気がした。

「!」
 キラさん…、否、吉良吉影が私の方を見て一瞬固まった。
 その直後、スタープラチナの拳が、あの猫のような頭した人型スタンドを殴った。
 吹っ飛んでいく、吉良吉影…。
 私は、力が抜けた足でペタンッとその場に座り込んだ。
「康一君……。君は精神的には、その男に、勝っていたぞ……。」
「くうじょうさ…。」
 空条さんは、全身から血をダラダラ流しながら立ち上がっていた。
 どうして…? なんで、今動けないの、私は!!
「き、貴様…、までもぉ…。」
「やれやれ…、よくイイ時計付けているな。だが、そんなことは気にする必要ないぜ。もっと趣味が良くなるからな…、お前の、顔面が。」
 ボロボロのスタープラチナの拳が、猫のような頭した人型スタンドを殴りまくった。あまりの速度と威力に、ダメージがフィードバックされ、吉良吉影がボロボロになる。
 すごい…!
 あんな重傷なのにまったくパワーが落ちてないなんて! よっぽどの修羅場を潜ってきてなきゃできないことだよ!
 それにしても、足が…なんで、力が…!?

 足リナイ

「!?」

 ワタシ(私)は、マダ…

「うぅ…!」

 ソノ時ジャ、ナイ

「…くぅじょ…さ…、ひろせ…く…。」

 私は全身から力が抜けて、その場に倒れて意識を失った。




「……ちゃん! 姉ちゃん!」
「っ…、じょうすけ…?」
「だいじょうぶか!?」
「仗助…、私…、わ、たし…?」
 体に力が…入らない?
 まるで感覚が無い。
 仗助に頭を支えれた状態で、動かせる範囲で目を動かした。
「!?」
 私は目を疑った。
 私の体、服の上からブルー・ブルー・ローズの根っこが根付いていて、四肢を雁字搦めにしていた。
 あれ? でも、半透明? 実体がない?
「なに…コレ…?」
「ミナミ、動けないんだろ?」
「はい…。」
 空条さんは、すっかり完治していた。仗助が直したんだろう。広瀬君も。
「非常に…マズい状態だ。スタンドがお前の体を蝕んでいる。」
「…えっ?」
「理由は分からん。だが、この症状を俺は知っている。……スタンドによって“とり殺され”かけているぜ。
「なんでっすか!? ブルー・ブルー・ローズは、今まで、姉ちゃんに危害を加えるコトなんてなかったじゃないっすか!」
「だから理由は分からん。ミナミ…、俺の予想だが、お前の精神状態が極めて不安定なのが原因かも知れない。元々、ほとんど勝手に動き回る暴走した状態のスタンドだったんだ。いつ牙を剥いてきてもおかしくなかった。」
「不安定…? あっ…。」
 心当たりがあるとしたら…。

「キラさん…。」

「姉ちゃん…。そ、そうか、そういうことか!!」
「? どういうことだ?」
「あの殺人鬼野郎、吉良吉影って野郎は、姉ちゃんの文通相手と同一人物だったんすよ!」
「そ…、そういやそうだ! あのどっかで格好見たことがあるとはちょっと思ったけどよぉ!」
「なんて皮肉な運命なんだ…。そんな近くにいたなんて!」
「ぅう…!」
「姉ちゃん!」
「キラさんが…、どうして…。私は…、何も知らず…。何も…!! 私が気づいていれば…!!」
「姉ちゃんのせいじゃねぇよ。」
 仗助がギュッと抱きしめてくれた。
 でも、涙が止まらない。手が動かなくて、涙を拭うことさえできないなんて…。


 私は、その後病院に搬送され、空条さんが呼んだSPW財団の医療チームが病院に入って、24時間体制で健康管理をして貰える状態にしてもらった。
 あとで、聞いたことですが…、キラさん…吉良吉影は、顔と指紋を変えて、どこかへ逃げたそうです。
 私は、寝たきりの状態で、病院の天井を見つめながら目をつむった。
 今なら…、分かる…。皮肉だね…、こんな状態になって初めて、アナタ(ブルー・ブルー・ローズ)が、広く、深く根を張っているのを感じているなんて…。
 空条さんとジョースターさんは、精神不安定の原因を取り除けば治る可能性があるとして、吉良吉影の追跡を強化することを決めたそうです。
 私の精神を不安定にさせている因子…、それが吉良吉影だと決めつけ…。
 うん…。間違ってないと思う。
 きっと、そうだ。
 仗助達の追跡を、吉良吉影は、何が何でも振り切って生きながらえたいだろう…・
 仗助達は、任せておけと言ってくれたけど、…私にできることは……。


 (ワタシ)は、一言こう言ってから、意識を闇に沈めた。


「好きに、しなさい。」


 私は、ワタシにすべてを明け渡した。

 
 

 
後書き
キラさんの正体を知ったことで不安定になり、ブルー・ブルー・ローズに、体を蝕まれてしまったミナミ。
症状としては、三部でのホリィに近いですが、高熱はない。体に力がまったく入らないだけ。

そして…、『好きにしなさい』と言い渡したことで……?
そして、その前に、奇妙な息づかいを頭上から感じたとき…?
ブルー・ブルー・ローズは……。


そして、自分の本名と承太郎と康一を傷つけたことをミナミに知られてしまって激しく動揺してしまった吉良吉影。しかし、それでも彼女を殺せなかった。
なお、まだ吉良吉影は、ミナミがスタンド使いだとは知らない。 
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