狼であることを忘れて
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第五章
「行きましょう、あそこなら間違いなくです」
「僕を助けてくれますか」
「左様ですよ」
「ですがお金までなんて」
「幸いお金には困っていないので」
大丈夫だとだ、カマンダは青年にも気取った仕草でそこに優しい笑顔をプラスさせて応えた。そうしてだった。
青年をゴーディマーと共に病院に連れて行った、するとだった。
青年はすぐに診察を受け頭に強い打撃を受けそのうえでの記憶喪失だと診断された。それで医学だけでなく錬金術や超能力も使われてだった。
治療が行わ記憶が取り戻された、その結果彼は自分の名前や出身地、職業等を全て正確に思い出し。
当然ながら婚約のことも思い出した、それで病院にカマンダに言った。
「僕もうすぐ結婚するんで」
「はい、ではこれから戻りましょう」
「彼女のところにですね」
「そうしましょう、ただ自転車屋さんとは」
彼が働いていたそこにはというのだ。
「お話をしておきましょう」
「そうですね、ちゃんと」
「そうしたことはしておきましょう」
カマンダは青年、オオレ=マラボに穏やかな声で応えた、そうしてだった。
ゴーディマーと共に青年を今度は彼が本来いるべき場所に連れて行った、すると感動の再会がそこで待っていて。
二人は笑顔で抱き合った、そうしてカマンダとゴーディマーに何度も何度も礼を述べてだった。
報酬も渡した、カマンダは報酬も冒険者として受け取ってだった。
そうしてからゴーディマーと共にギルドに赴いて依頼を成功で終えたことを話した、ここでカマンダはゴーディマーに話した。
「彼が失踪した原因が何故わかったか」
「そのことやな」
「それはどうしてかといいますと」
今も気取ったステップで歩いている、その中での会話だった。
「彼はお話を聞く限り真面目でしかもです」
「しかも?」
「結婚前です、失踪するとはです」
「そうはないか」
「はい、真面目な青年が結婚直前で姿を消すとなると」
それこそというのだ。
「事件や事故に巻き込まれて消されたか」
「それは悪いケースやな」
「それか事故で記憶をなくしたか」
「そうしたケースやな」
「そして私は前者も考えましたが」
それでもというのだ。
「まずはです」
「後者を考えてか」
「はい、それでです」
「捜査をしたんやな」
「左様です」
そうしたというのだ。
「そしてそれがです」
「そのまま当たったな」
「左様です」
「それは何よりやな、ただ」
ここまで話を聞いてだ、ゴーディマーは怪訝な顔になりカマンダに問うた。
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