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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第九幕その一

               第九幕  お姫様への提案
 日曜日になりました、するとです。
 先生はトミーと王子、動物の皆と一緒に姫路城に行きました。そしてすぐに本丸の天守閣に向かいました。
 するとです、動物の皆は先生に本丸の中を進みながら言いました。
「何度観ても奇麗な場所だね」
「そうだよね」
「白くて形も整っていて」
「本当に奇麗なお城だね」
「恰好もいいしね」
「そうだね、このお城自体がね」
 またこう言う先生でした。
「芸術品と言っていいね」
「本当にそうだよね」
「観ていて飽きないわ」
「じゃあ今からね」
「天守閣の中に入りましょう」
「そうしてね」
 先生は皆に穏やかな笑顔でお話しました。
「お姫様に会おうね」
「さて、お姫様にお会いするけれど」
 ここで言ったのは王子でした。
「あの人に提案してどうかな」
「お姫様がどう思われるかだね」
「どれも面白い提案だよ」
 洋食も花火もライトアップもというのです。
「センスのあるね、けれどね」
「それでもだね」
「あのお姫様がどう思われるか」
「それが問題だね」
「どうかと言う可能性もあるよ」
 先生もその可能性は否定しません。
「全部駄目だって言うこともね」
「有り得るね」
「うん、けれどね」
 それでもというのです。
「まずは提案をする」
「それが大事だね」
「そこからお姫様とお話をしてよりいいものを出すこともあるし」
「ああ、お話をしてだね」
「よりよい考えを出してもね」
「いいんだね」
「僕の考えが正しいか」
 それはというのです。
「そうとは限らないからね」
「だからだね」
「そう、それでだよ」
 ご自身の案はというのです。
「駄目でもね」
「いいんだ」
「そこからいい宴の案が出て実行に移されれば」
 それでというのです。
「僕はそれでいいよ」
「問題はいい宴になるかどうかだね」
「僕の案が通るかどうかじゃないんだ」
 先生はこう考えているのでした。
「設計図を出してもそれが正しいか」
「そこから改善したりするね」
「そうしたものだから」
「先生の案が通らなくてもいいんだ」
「いい宴になればね」
「その辺りも先生らしいね」
 王子は先生の言葉を聞いてしみじみと思いました。
「自分の考えよりもだね」
「そう、いいものになるか」
「それが第一だね」
「いいものになるんだったら」
 それでというのです。
「これ以上はないと思うよ」
「それじゃあ」
「そう、お姫様にお話しようね」
 いい宴にする為にとです、先生は言ってでした。 
 皆で天守閣に入りました、そうしてこの日も一階一階進んでいきますがその時に動物の皆が言うのでした。 
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