レーヴァティン
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第百十三話 返す刀でその一
第百十三話 返す刀で
金ヶ崎城を抑えた英雄達は今度はすぐに若狭に兵を進めた、十万を超える兵を送ると狭い若狭はすぐにだった。
その手に落ちた、だがだった。
英雄は一国を即座に手に入れてもだ、こう言うのだった。
「乱が起きない様にな」
「幾らか兵を置いて」
「そしてだ」
その様にしてというのだ。
「金ヶ崎に戻る」
「そうするね、それじゃあこの国の一人置くね」
奈央は英雄にこうも言った。
「この国を落ち着かせる為に」
「そこまではしないが」
「急に領地にしただけに」
「少し乱に気をつけたい」
若狭についてはというのだ。
「暫くな」
「だから兵を置いてだね」
「その兵を抑えにしてな」
その様にしてというのだ。
「そしてだ」
「私達はだね」
「越前だ」
この国だというのだ、今の自分達の最後の目標である。
「いよいよ攻めてだ」
「そしてだね」
「あの国も完全に手に入れてな」
「敵も降すね」
「そうする、関西全土を手に入れるつもりだったが」
それがとだ、ここでこうも言った英雄だった。
「讃岐や阿波も手に入れてな」
「そして越前もね」
「そうなっているな」
「思ったより勢力が広くなってるね」
「そうだな、だが」
それでもとだ、英雄は奈央にさらに話した。
「それはいいかも知れないな」
「早いうちに確かな勢力になっておくことはだね」
「それはいいな、だが今の俺達だが」
現時点の自分達の勢力のこともだ、英雄は話した。
「摂津、河内、和泉、大和、紀伊、播磨、丹波、但馬、丹後、伊勢、志摩、伊賀、山城、近江、淡路、讃岐、阿波、この若狭だ」
「十八国だね」
「これだけの国を完全に手に入れた」
そうなっているというのだ。
「かなりのものになっている」
「そうよね」
「思った以上にな」
「それはね」
「そうなるとな」
まさにと言うのだった。
「俺達十二人だけでは戦うことも治めることも」
「実際にです」
今度は謙二が言ってきた。
「難しくなってきています」
「そうだな」
「ですから」
それでというのだ。
「これからですが」
「越前も手に入れてな」
「戦が一段落したところで」
「人材を揃えるべきだな」
「政でも軍でも」
その両方でというのだ。
「それを固めて」
「そのうえでだな」
「そして」
そのうえでというのだ。
「ここはだ」
「はい、それから」
「足場を固める」
「そうしますね」
「俺達だけではな」
英雄も実感しだしていた、それで今も言うのだ。
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