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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第八幕その十

 ティータイムには紅茶も楽しみました、ですがここで先生は皆にこんなことを言ったのでした。
「このティータイムもね」
「宴に出来る?」
「そうなる?」
「ひょっとして」
「それが出来る?」
「そうかもね、まあこのことは提案するつもりはないよ」
 ティータイムはというのです。
「茶道を提案するから」
「だからだね」
「ティータイムは提案しないの」
「こちらは」
「そうするんだ」
「うん、提案しても」
 例えそうしてもというのです。
「被るからね」
「茶道もお菓子出るしね」
「和菓子がね」
「じゃあ提案してもね」
「仕方ないわね」
「だからだよ」
 それ故にというのです。
「このことは提案しないよ」
「そうするのね」
「まあお茶ばかり飲む宴もあるけれど」
「そうした宴でもないし」
「止めておこうね」
「ティータイムの提案はね」
「そうしようね」
 こう言ってでした、先生はお茶を飲みます。そのうえで。
 先生は今度は泉鏡花の論文を書くことをはじめました、天守物語のそれをです。そうしつつ思うのでした。
「奇麗な物語だね」
「姫路城もお姫様も」
「独特の奇麗さがあるんだね」
「日本的な」
「そうなんだ、だから調べていても」
 そうしていてもというのです。
「幽幻の世界の美かな」
「それを感じるんだ」
「先生も」
「そうなの」
「うん、日本独特の美があるね」
 天守物語にはというのです。
「そしてね」
「それを読んで」
「そしてだね」
「そのうえでね」
「論文を書いていくのね」
「今も」
「うん、これはまた機会があれば」
 その時はというのです。
「この人の作品について書きたいね」
「よっぽど泉鏡花さんが好きになったのね」
「日本の文学の中でも」
「先生の場合は」
「うん、色々な作家さんがいるけれど」
 その中でもというのです。
「泉鏡花は素晴らしい作家だよ、海外にもっと伝えたい位だよ」
「じゃあ英語とかでも論文書くのね」
「そうして世に伝えるのね」
「そうしていくのね」
「そうしていこうかな」 
 先生は微笑んで言いました、そうしてです。 
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