レーヴァティン
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第百十二話 若狭も手に入れその四
「いいと思ってるけれど」
「それでか」
「あんたもって思うのよ」
「俺が家庭をか」
「どうかしら」
「考えたこともなかったが」
そもそもとだ、英雄は言った。
「しかしだな」
「何時までも遊び人じゃないでしょ」
「それはな、しかしな」
「遊ぶことはなのね」
「続けていく」
女遊びはというのだ。
「この世界ではな」
「結婚してもなのね」
「そのつもりだが」
「起きた世界じゃ刺される言葉だけれど」
現代の日本ではだ、そうしたことをして実際にそうなった話は枚挙に暇がない。俗に言う鮮血の結末である。
「こっちの世界じゃね」
「別にか」
「いいしね」
「立場がある者が側室を持ってもか」
「そしてそうした遊びをするのも」
このこともというのだ。
「いいわよ」
「だからだな」
「そうした遊びもしてもいいし」
「そのうえでか」
「奥さん迎えることもね」
正室をというのだ。
「いいでしょ」
「そうしたものか」
「病気には気をつけて」
性病、それにはだ。
「遊んでいけばいいわ」
「それではな」
英雄は桜子の言葉に頷いてだ、今度はこうも言った。
「考えておく、前向きにな」
「あっちの世界の彼はもうでしょ」
久志のこともだ、桜子は話した。
「結婚してるのよね」
「そしていい家庭も持っているらしい」
「そうよね、じゃあね」
「俺もか」
「家庭持てばいいでしょ、人は人でも」
「そしてお前等もだな」
「そう、結婚してるし」
例え人は人自分は自分でもというのだ。
「あんたもね」
「考えていけばいいな」
「そういうことでね」
こうしたことを話してだ、桜子はまただった。
酒を飲んだ、そして今度はこんなことを言った。
「最後はお茶がいいわね」
「お茶とだな」
「そう、お菓子とね」
「日本酒を飲んでもだな」
「そう、最後はね」
まさにとだ、桜子は笑って話した。
「幾ら飲んでも」
「お茶とだな」
「お菓子よ」
この二つだというのだ。
「それは欠かせないわ」
「むしろです」
謙二も言ってきた、見れば既にかなり飲んでいていてそうして真っ赤な顔である。そうして言うのだった。
「お菓子こそがです」
「本番だというのね」
「拙僧としては」
「幾ら飲んでも」
「そうです、宴になると」
その時はというのだ。
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