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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第七幕その七

「演目もお話しようかな、そしてね」
「音楽や舞についても」
「そういうのもだね」
「お話するんだね」
「あと歌舞伎や狂言のお話もしたけれど」
 さらにと言うのでした。
「そっちもお話しようかな」
「宴の時に出したらどうか」
「そうお話するんだね」
「来週の日曜日に」
「そうもね、しかし思うことは」
 それはといいますと。
「日本の宴は欧州や中国のものに負けないね」
「深い文化があるね」
「能や音楽も舞もあって」
「何かと」
「静かに進み深みが凄い」
 実にというのです。
「凄いものだよ」
「よくこんな宴考えついたね」
「日本人は」
「長い歴史の中で出来ていったにしても」
「凄いものだね」
「全くだよ、じゃあ色々と考えていくよ」 
 あらためて言う先生でした、そして皆と一緒に晩ご飯を楽しんでそうしてデザートのお饅頭の後はといいますと。
 先生はお風呂に入ってから本を読んでいました、その本はといいますと。
「あれっ、太宰治?」
「そうだよ」
 今日は先生のお家にお泊りすることになった王子に読みながら答えます。
「泉鏡花の後はね」
「その人について調べるんだ」
「それで今からね」
 まだ泉鏡花の論文を書いていてもというのです。
「下調べをしているんだ」
「そうなんだ」
「太宰は日本ではかなり有名な作家だね」
「日本人なら誰でも知ってるね」
 まさにとです、王子は先生に答えました。
「そこまでの作家だね」
「芥川龍之介と並ぶ位にね」
「そうだね、そしてね」
 それでと言うのでした。
「あの人は最期もね」
「芥川と同じだったね」
「自殺してるよね」
「心中したことは違うけれど」
 芥川とそこはです。
「自殺していることはね」
「同じだね」
「そう、そしてね」
 それでと言うのでした。
「太宰は芥川を終生尊敬していたんだ」
「そう言われるとね」
「一脈通じるところがあるね」
「うん、どうもね」
「多分ね」
 先生はロックのウイスキーを飲みつつお話しました、太宰の本を読みながらそのうえで飲んでもいるのです。
「太宰は芥川を尊敬していて」
「人生もなんだ」
「意識していたと思うよ」
「作風もかな」
「作風はかなり違う筈だけれどね」
「何か一脈通じるよね」
「うん、どうもね」
 これがというのです。
「そんな感じあるよね」
「そうだよね」
「それがね」
 まさにというのです。
「読んでいてわかるよ」
「太宰の作品を」
「芥川の作品もね、芥川の作品は」
 今度はこちらのお話もしたのでした。
「後期がね」
「自殺する前だね」
「作風が一変してね」
 これまでの作風と全くというのです。 
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