| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百十一話 都からその三

「また四方から攻められやすいしな」
「それだけにでござるな」
「あの街はだ」
「拠点にはしにくいでござる」
「堅城も築けないしな」
 このこともあるというのだ。
「都自体が城だが」
「それでもでござる」
「今言った通りだ、狭い盆地の中にありだ」
 このことが問題だというのだ。
「囲まれると終わりだ」
「後はすぐに餓えるでござる」
「そうなるからだ」
 それだけにというのだ。
「あの街はな」
「とかく拠点にはでござるな」
「しにくい」
 どうしてもというのだ。
「だから大坂のままだ」
「拠点にする場所は」
「それは変えない」
 決してと言うのだった。
「これからもな」
「そうでござるな」
「そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「大坂城はな」
「これからもでござるか」
「俺達の本城でさらに堅固にしていく」
「今以上に」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「いざという時はな」
「大坂城において籠城して」
「そして戦う」
「そうするでござるな」
「しかしな」
「ただ籠城しては」
「大坂城だけになるなら」
 その時はというのだ。
「籠城もな」
「しないでござるな」
「大坂城はそれで陥ちた」
 英雄は自分達が起きたその時のことを話した。
「孤城になったが」
「ああ、大坂の陣な」
 その時のことをだ、耕平は話した。
「冬の陣やったな」
「あの時真田幸村は外で戦おうとしたが」
 そう主張したのだ。
「しかしな」
「あれはな」
 耕平は大坂の陣について残念そうに話した。
「淀殿がな」
「あの女がな」
「政も戦も何も知らんかった」
「世間知らずでもあってな」
「ほんまに何も知らんかった」
 それが為にというのだ。
「大坂城が天下の堅城とだけ言うてな」
「それで難攻不落だと言ってだ」
「籠城したわ」
 そこにいれば負けることはないと言ってだ、幸村以外の者も城から出て戦うことを主張したがである。
「それでや」
「冬の陣は講和となるが」
「それがな」
「大砲を撃ち込まれた」
 英雄も重視しているこれを使われたのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧