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老人とレース

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第五章

「あたし達やないと」
「そやね、けど」
「ここはな」
「倒していこうな」
「うむ、ではな」
 老人も応えた、そしてだった。
 三人と一匹でドラゴンに向かった、流石にドラゴンは強かったがそれでもだった。二人だけでなく老人もかなりの強さであり神具である猫の存在もあり。
 ドラゴンですら圧倒してだった。最後にマリアがドラゴンの額に自身の神具であるコアトリクエこの神の力がそのまま宿った鞭の一撃を加えると。
 それで巨大なモンスターは姿を消して金塊に変わった、このことに観客達は大喝采となった。街全体に轟くその喝采を浴びつつ。
 パーティーはゴールした、言うまでもなく優勝だった。老人は優勝のトロフィーを受け取ってかあ満面の笑顔で言った。
「これで曾孫におもちゃを買えるわ」
「曾孫さんにですか」
「うむ、長女の長男の長男のな」 
 マリアの問いに明るい笑顔で答えた。
「今度七歳になってな」
「その子にですか」
「誕生日のお祝いにな」
「おもちゃをですか」
「そして他の孫や曾孫達にもじゃ」
「おもちゃをですか」
「買えるわ、いいことじゃ」
 こう言うのだった。
「その賞金を手に入れる為にもレースに参加したが」
「無事にですね」
「優勝出来たわ、そしてな」
 それでというのだった。
「わしが若いということもな」
「見せられましたか」
「そうもなった、だからな」
 それでと言うのだった。
「本当にじゃ」
「いいこと尽くめですか」
「全く以てじゃ」
 老人は満面の笑みでだった、そのうえで。
 彼は実際に自分の孫や曾孫達におもちゃを買いそうして弟子達に自分は若いということを誇らしげに言った。レースで優勝した彼は素晴らしいものを手に入れた。
 マリアは老人が曾孫達と遊びに行くのをニキータと共に手を振り合って別れてから姿が見えなくなるまで見送ってだった。 
 ニキータをアスンシオンにあるレストランに案内した、そこでマテ茶を飲みながらメニューを注文した。 
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