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レーヴァティン

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第百九話 書の収集その九

「三国も手に入ったぜよ」
「伊賀には兵を進めていたがな」
「その伊賀もぜよ」
「国人達が次々とか降ったぜよ」
「有り難いことにや」
 今度は耕平が言ってきた。
「伊賀と言えば忍の者やろ」
「この世界でもそうだな」
「そして甲賀もや」
「そちらもか」
「忍の棟梁達が話してな」
「そのうえでか」
「こっちに降ったんや」
 そのことを選択したというのだ。
「そうなったんや」
「そうか、それは何よりだな」
「それでや」
「忍の者達もだな」
「余計に人材が揃ったわ」
「それは何よりだな」
「ああ、これでや」
 まさにとだ、耕平は英雄にさらに話した。
「わし等は近畿の統一にも王手をかけたわ」
「そうだな、残るは近江と若狭だな」
「もう志摩も降った」
 この国のことは幸正が話した。
「あの国もな」
「伊勢と共にあるあの国もか」
「そうだ、完全に降った」
「わかった、そして伊勢自体もだな」
「尾張との国境までな」
 そこまでというのだ。
「確かになった」
「そうか、それは何よりだ」
「ではいよいよだな」
「丹後と但馬を抑えたらな」
 その時はとだ、英雄は幸正に答えた。
「それからだ」
「近江に向かうな」
「そうする、あの国とだ」
「越前、若狭もだな」
「手に入れる、近畿全体の掌握がとりあえずの目標だったが」
「手に入れられるならだな」
「越前もだ」
 この国もというのだ。
「手に入れる」
「それではな」
「では丹後と但馬のまだ降っていない国人達にですね」
 紅葉が言ってきた。
「人を送り」
「そうだ、そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「降らせる、若し降らないならな」
「その時はですね」
「兵を送る、丹後と但馬ならだ」
 この二国ならというのだ。
「丹波からな」
「兵を送ってですね」
「充分だ、その場合兵を率いるのは」
「ああ、あたしが行くよ」
 桜子が右手を挙げて名乗りを挙げた。
「そうさせてもらうよ」
「いいのか」
「いいよ」
 笑顔でだ、桜子は英雄に答えた。
「それでね」
「いいか」
「ああ、まあ手荒な真似はしないよ」
「攻めてもだな」
「博打ってのは楽して勝つものなんだよ」
 桜子は英雄に笑顔のまま話した。 
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