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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第五幕その六

「雷を受けたらね」
「それで終わりで」
「そうだったからね」
 それ故にというのです。
「二代目の天守閣もね」
「それでなくなったんだね」
「そうだよ、それで長い間大坂城に天守閣はなくて」
「確か昭和に入ってだね」
「やっと建てられたんだ」
 こう王子そして他の皆にお話するのでした。
「それが今の三代目の天守閣だよ」
「青緑の瓦のだね」
「そうだよ、これまでの天守閣は短命だったけれど」
「三代目はタフみたいだね」
「空襲でも生き残ったからね」
 第二次世界大戦での大阪への空襲です、この戦争では日本の多くの街が空襲を受けて大変だったのです。
「天守閣の周りは瓦礫の山になったけれど」
「天守閣だけは残ったんだったね」
「そうだったんだ、これがね」
「凄いことだね」
「これまでの二代の天守閣の想いがあるのかな」
 ここで先生はこうも思いました。
「短命だったね」
「前の二代の魂が三代目にあって」
「それでね」
 そのうえでというのです。
「ああしてね」
「生き残ったんだね」
「空襲からも。そしてね」
「今もだね」
「大阪の街にあるのかもね」
「そう思うとあの天守閣も立派だね」
「そうだね」
 先生は大阪城の天守閣のお話をするのでした。
 そしてです、先生は皆と一緒に姫路城の中を回っていってでした。
 そのうえで天守閣のある本丸まで来ました、ですがここで先生は言うのでした。
「いやあ、ここまで歩いてね」
「疲れたの?」
「そうなったの?」
「ちょっとね」
 こう皆に答えました。
「丁度十一時だしね」
「じゃあお茶にしよう」
「そうしよう」
「ティータイムだしね」
「それならね」
「そうだね、喫茶のコーナーもあるし」
 丁度いい具合にすぐ傍にありました。
「じゃあそこで飲もうね」
「日本のお城だしお抹茶ね」
「お抹茶飲もう」
「それとお菓子もね」
「それ食べよう」
「是非ね」
「そうだね、お団子にお饅頭に」
 先生はそちらのお話もしました。
「きんつばも食べよう」
「そうしようね」
「じゃあね」
「今から食べようね」
「そしてお茶も飲もう」
 こうお話してでした、そのうえで。 
 先生は皆と一緒に茶屋に入りました、そうしてです。
 お抹茶にお団子、お饅頭にきんつばも頼みました。お昼前ですしそれぞれ一個ずつです。そのうえでなのでした。
 天守閣を観ながらお抹茶を飲みますが。
「いいねえ」
「うん、日本のお城だね」
「日本のお城にいる気がするね」
「そうだよね」
「素敵な気分になるね」
「本当にね」
「素晴らしいね」
 笑顔でお話します、皆と一緒に飲みながら。 
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