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ある晴れた日に

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462部分:夕星の歌その二


夕星の歌その二

「じゃあそれで行くか」
「様子見ってわけだな」
「そっとしておくってのも方法か?」
「そうなんだろうな」
 坪本と佐々もそれに頷くしかなかった。
「俺ももっと積極的にやっていきたいんだがな」
「いつも飲んでる状況見たらそれしかないか」
 彼等もそういう考えになるしかならなかったのだった。今は。
「ねえ恵美」
「そうね」
 恵美もまた明日夢の言葉に頷くしかなかったのだった。
「ここはやっぱりね」
「見ているしかないね」
「未晴の入院先も全然わからないし」
「それしかないのね」 
 咲達五人もだった。
「今は何も動けないのね」
「まだるっこしいけれど」
「とりあえずはあいつが飲み過ぎないようにね」
 茜は精一杯背伸びしてこの考えに至ることができた。これが今の彼等ができる精一杯のことであった。
「今は」
「まあ仕方ないよ」
 竹山は茜に対しても言ったのだった。
「そういうことでね」
「それじゃあ今日はね」
 明日夢が皆にここで告げた。
「あいつを見ておく為に猛虎堂で飲む?」
「あいつ最近開店早々に来てすぐに帰るぞ」
 明日夢の提案にはすぐに佐々が返した。
「本当に何かを忘れたいみたいにな」
「それで大体どれだけ飲んでるの?」
「ウイスキー三本は空けてるな」
「滅茶苦茶ね、それはまた」
 話を聞いた明日夢はかなり呆れてしまった。
「っていうかそれだけ飲んだらウイスキーよね」
「ああ」
「ウォッカボトル一本と同じだけ飲んでるじゃない。相当飲んでるわよ」
「そう思ってるんだけれどな。止められねえんだよ」
 だからだというのである。
「もうな。あんまり荒れていてな」
「大変なのね」
「止めようと思っても止められない状況なんだよ」
 たまりかねている言葉であった。
「今はな」
「そうか」
「どうしたものかね」
 困った顔でこれまた皆に問う佐々だった。
「この状況な」
「だから様子見しかないと思うよ」
 竹山の言葉はここでも同じだった。
「僕達も開店早々すぐに行くなりしてね」
「それはちょっとな」
「難しいけれど」
「ああ、僕が行くよ」
 竹山がここで皆に対して名乗り出た。
「僕が行くから」
「あんたが行くの」
「うん、行くよ」
 明日夢の問いにもはっきり答えてみせる。
「だから任せて」
「そう、だったら」
「頼むぜ」
「飲んでもある程度なら潰れない方法もあるしね」
「そんなのあったのかよ」
 佐々がそれを聞いて驚いた顔になった。
「そんないい方法がかよ」
「幾らでもあるんだ」
 竹山はその驚く彼に対して述べる。
「それはね」
「幾らでもって」
「吐くとか?」
「それもあるよ」
 実際にそれもあるというのであった。
 
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