ある晴れた日に
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452部分:これが無の世界その一
これが無の世界その一
これが無の世界
その日は正道はそのまま帰った。気になるが今は未晴の家族と鉢合わせになる恐れがあったからだ。しかしその日は家で調べた。そのうえで次の日登校した。
「あ〜〜〜あ」
「全く」
教室に入るとだった。明日夢と茜がそれぞれ溜息をついていた。それが何故かというと。
「一日負けだなんて」
「これでソフトバンクを突き放せたのに」
それぞれこう言ってぼやいていた。
「全く。何でカープってあんなに強いのよ」
「ソフトバンクもしぶといわね」
「ソフトバンクはわかるけれど」
「カープってそんなに強いか?」
皆今の二人の言葉を聞いてそれぞれ言う。
「っていうかBクラスだけれど」
「今一つ強くなりきれないチームっていうか」
今現在のカープの評価はこんなものであった。
「そんなのだと思うけれど」
「ねえ」
インターネットではさらに酷く言われている。カープの評判は広島ではどうにも今一つなままであり続けているのだ。これはこれで残念なことにである。
「そのカープにって」
「また負けたの」
「ある意味流石ベイスターズ」
「流石は余計よ」
速攻で皆に言い返す明日夢だった。
「横浜だって負けたくて負けてるわけじゃないのよ」
「けれどもうあと百敗まで」
「カウントダウンでしょ」
「大丈夫よ」
だが明日夢はあくまでこう言うのだった。
「これから破竹の快進撃だから」
「いや、それはない」
「絶対にないわ」
皆明日夢の今の言葉はすぐに全否定で返した。
「怒涛の連敗ならともかくな」
「破竹の快進撃はないわね」
「随分と言ってくれるわね、相変わらず」
「だってなあ」
「本当に今年も弱いんだから」
「ねえ」
今年も、という言葉まで付く始末であった。
「まあベイスターズ好きなのはわかるけれどな」
「これ以上ないまでにはっきりとね」
「そうよ。ベイスターズ大好きよ」
このことは何があっても隠さない明日夢だった。
「もうね。何があっても一生ベイスターズ応援するから」
「じゃあ巨人に合併された場合は?」
「あの球団ならやりかねないわよね」
「巨人だからね」
何処までも評判の悪い球団であった。まさに球界の北朝鮮とも言うべき評判だったがそれも致し方のないことだった。巨人の過去を見れば。
「その場合はどうするんだよ」
「応援するの?読浜ベイアンツ」
「そんなことになったら読売新聞社にバズーカよ」
明日夢は本気であった。
「もうね。あの糞社長のところにドカンってね」
「それって絵になるよな」
「そうよね」
皆実際に明日夢があの巨大なビルに向かってバズーカをぶっ放す風景を想像した。それは確かにかなり絵になる光景であった。
「まあ俺も阪神が合併されたらな」
「テロとかね」
「普通にやるわよね」
自分達の立場に当てはめて考えればそうなることだった。
「もう一気にな」
「徹底的にやるわよ」
「それと同じよ。ベイスターズはベイスターズ」
あくまでこう主張する明日夢だった。
「ホエールズでもいいけれど」
「けれどフロントには気をつけろよ」
「何するかわからないわよ」
皆明日夢にこうも言うのだった。
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