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見えない誘拐犯

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第三章

「今回は」
「そうでしょうね」
「ほなやな」
「ええ、ここはね」
「そこから調べていくか」
「ここで大事なのはね」
「人攫いやな」 
 それが問題だった、何といっても。
「そうした事件やからな」
「そうよ、人を攫うのは何故か」
「自分が警察署で言うたな」
「ええ、売るかね」
「自分の下衆な楽しみの為にな」
「行うものよ」 
 ミッチェルもこう言った。
「そうしてね」
「理由があってするものや」
「盗癖があるといっても人を攫う癖なんてね」
「あってもな」
「攫った相手をどうするか」
「そう考えたらな」
「今回は街に入り込んでしまったモンスターの行動ではないわね」
「ブリンクドッグは狩りはしてもな」
 オニールはこのモンスターの話もした。
「それでもな」
「凶暴ではないからね」
「街の中で子供を無差別に襲うか」
「そんなことはしないわ」
「そやな、街に入り込んでもな」
 ブリンクドッグがというのだ。
「そうしてもな」
「そうでしょ、街に入ればね」
「人、子供を襲わんでもな」
「餌は幾らでもあるわ」
「姿消せるさかいな」
「その力を使って市場でもうろつけば」
 それだけでとだ、ミッチェルは話した。
「肉屋や魚屋でね」
「軽く食えるな」
「それなのに子供を襲うとか」
 例え一人でいてもというのだ。
「子供だって暴れるし」
「割に合わへんな」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「頭はいいけれど」
「それでもな」
「姿は消せても」
 そうしたモンスターでもというのだ。
「基本大人しいし」
「相当餓えてないとな」
「人は襲わないモンスターだから」
「あのモンスターやないか」
「いえ、おそらくは」
 ミッチェルはその目を鋭くさせてオニールに話した。
「ブリンクドッグの仕業よ」
「そこでそう言うか?」
「ただし訓練されてかなり特殊な」
「ブリンクドッグかいな」
「そうじゃないかしら」
「ほなブリンクドッグを使ってか」
「子供を攫わせてね」
 そうしてというのだ。
「悪事を行っている」
「そうした奴がおるか」
「そこまでする奴がね」
「今この街におるか」
「デモインにね、さてブリンクドッグとなると」
 ミッチェルはあらためてこのモンスターについて話した。
「一体ね」
「どんな奴かやな」
「モンスターを使うとなると獣使いやけど」 
 ミッチェルは考えつつ述べた。 
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