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おぢばにおかえり

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第五十二話 おせちひのきしんその七

「それじゃあね」
「ええ、じゃあここに来るから宜しくやってね」
「宜しくって」
 ここでまた何かと思いました。
「何がよ」
「だから言った通りよ。頑張ってね」
「何を頑張るのよ」
 わからないことばかり言われます、ですが何はともあれです。
 阿波野君が来たということで私は自分から彼のところに来ました、すると食堂の中に一人で立っていました。
 そして私を見て笑顔で言ってきました。
「先輩あけましておめでとうございます」
「おめでとう」
 私は少し憮然として答えました。
「一人なの?」
「二人になりたくて」
 それでというのです。
「皆囃しますけれどここはです」
「一人で来たのね」
「はい、そうしました」
「まあ私も皆に囃されるのは好きじゃないし」
「それじゃあいいですよね」
「よくないわよ」
 阿波野君に即座に返しました。
「何で私に会いに来るのよ」
「だって先輩にお会いしないとはじまらないですから」
「何がよ。私に会うことなんて何時でも出来るじゃない」
 こう阿波野君に返しました。
「そうでしょ」
「それでもなんですよ」
「わざわざ会いに来たっていうの」
「はい、お昼のついでに」
 お雑煮を食べに来てというのです。
「丁度いい時間ですし」
「丁度じゃないわよ」
 阿波野君にむっとした顔で返しました。 
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