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ある晴れた日に

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437部分:辺りは沈黙に閉ざされその四


辺りは沈黙に閉ざされその四

「隅々まで洗ってもらって」
「やっぱりやばいよな」
「隅々までってな」
 そしてそれがさらに男連中の誤解を招く結果となったのだった。
「酔ってたしな。何があってもな」
「おかしくないよな」
「何もなかったわよ」
「それは間違いないわよ」
 他の女連中が二人の関係の証人になってきた。
「洗いっこもしてたしべたべたしてたけれど」
「いつも通りだったわよ」
「ねえ」
「私なんか咲と奈々瀬の世話で大変だったし」
 茜は自分のことも話すのだった。
「けれど皆そんなにね。酔いもサウナと水風呂と露天風呂一回回ったらかなり抜けたし」
「まず身体洗われてそこからまず水風呂に放り込まれて」
「あれからサウナでまた水風呂だったしね」
 その奈々瀬と咲が言うのだった。
「茜も結構手荒いわよね」
「まあお酒はかなり抜けたのは事実だけれど」
「恵美なんかもっとよ」
「身体洗って泡流したら水風呂にざぶん、だったからな」
 今度は静華と春華が言う。
「そっからサウナに汗だくになるまで入れられて」
「そっから水風呂で露天風呂からまた水風呂、それにサウナだったからな」
「おかげでお酒抜けたでしょ」
「まあね」
「風呂からあがったらもう完全になくなってたな」
 確かに危険だが酒を抜くのに効果があるのは事実なのだった。
「次の日気分爽快だったわ」
「二日酔いなかったし」
「何だかんだで楽しかったわよね」
「そうね」
「その楽しい夏休みも終わったな」
 最後に正道が言った。
「じゃあ席に着くか」
「残念だけれどな」
「夏よさらばってことでね」
 皆話を終えてそれぞれの席に着いた。暫くするとクラスに江夏先生と田淵先生が入って来た。先生達が壇に着くとだった。
「起立」
 千佳が皆に言う。すると皆一斉に立つ。
「礼」
 続いて一礼する。先生達もそれに返礼する。
「なおれ」
 それと共に頭を元に戻す。次の言葉は。
「着席」
 これで皆席に着く。そのうえでホームルームとなった。
「皆おはよう」
「はい」
「おはようございます」
 江夏先生の挨拶に応える。先生達はにこやかに笑っている。
「有意義な夏休みを過ごせたみたいね」
「過ごせたって」
「どうたったかじゃなくて?」
「顔を見ればわかるから」
 その笑顔で自分の受け持つ生徒達に告げるのだった。
「皆のその顔を見ればね」
「顔って?」
「それでわかるのかな」
「さあ」
「わかるのよ」
 先生は言うのだった。
「顔を見ればね。それは何よりだわ」
「まあ楽しくやってましたし」
「もう遊んでばっかりで」
「お酒も大分飲んだみたいね」
 くすりと笑って返す江夏先生だった。
 
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