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ある晴れた日に

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436部分:辺りは沈黙に閉ざされその三


辺りは沈黙に閉ざされその三

「っていうかできねえんだよ、学校の勉強はよ」
「全く。こいつだけは」
「こりゃまたずっと補習かしら」
「まあそうだろうな」
 完全に自分でわかっているといった言葉だった。
「それでもいいさ。補習どんと来いだ」
「駄目だこりゃ」
「じゃあもう補習地獄にいなさい」
 遂に匙を投げた感じになる皆だった。
「学校の勉強だけはどうしようもねえな」
「赤点取らないのってそんなに難しいかしら」
「俺にとっちゃ難しいんだよ」
 これまた身も蓋もない言葉だった。
「それも滅茶苦茶な」
「だから勉強しろよ」
「ちゃんとね」
 呆れながらもそれでも言うのだった。
「そうしたら少しずつでもましになるからよ」
「せめて夏休みの宿題位は」
「やりなさいよ」
「ちぇっ、またぼろくそ言われるぜ」
 周りの総突込みに口を尖らせる野本だった。しかし反省はしていない。
「もう教科書とか開いただけで頭が痛くなるのによ」
「のび太君かよ」
「殆ど漫画じゃない」
「それでもわからねえもんはわからねえんだよ」
「こりゃ駄目だ」
「全く」 
 匙は投げてもそれでも言う皆だった。
「オタク大王も大変だな」
「大王じゃないし」
 竹山は春華に対して突っ込みを入れた。
「全然。まあ従兄弟同士だしね」
「こいつをいじめたりからかったりする奴がいたら俺が承知しねえぜ」
 こうした義侠心はあるようである。
「で、俺はこいつにな」
「宿題見せてもらうっていうのね」
「ギブアンドテイクっていうの?」
「そういうことな。まあ俺達は何時でも一緒だぜ」
「つまり竹山が頭脳で御前が力かよ」
「何かバロム1みたいね」
 何気にやたら古い番組まで話に出た。
「まあそれならそれでいいけれど」
「役割分担ってことで」
「さて、そろそろ時間だよ」
 加山が皆に告げてきた。
「ホームルームの時間がはじまるよ」
「やれやれ。二学期だなあ」
「遂にはじまるのね」
 誰もがそのはじまりを心から嫌がるものだった。
「まあ言っても仕方ないし」
「席に着くか」
「席替えとかするのかな」
「一応あるんじゃないの?新学期だし」
 席替えの話までするのだった。
「未晴がいたら隣になりたいのに」
「私も」
「私もよ」
 五人はそれぞれ言った。だがここで凛はこんなことも言うのだった。
「片方に未晴がいて片方に少年とか駄目かしら」
「あんた欲張り過ぎ」
「っていうか最近少年と結構一緒にいるわよね」
 他の四人が凛に突っ込みを入れる。
「うち等といないと絶対に少年といるよな」
「スーパー銭湯でもべたべたしてたし」
「スーパー銭湯ってこの前のか」
「裸でべたべたしてたのかよ」
 男連中は今の話を聞いて真顔でその顔を見合わせることになった。
「それって余計にやばいだろ」
「やっぱりよ。あの二人ってよ」
「何もなかったわよ」
 明日夢はそのことに断りを入れた。
「確かに水風呂の中でもサウナでも露天風呂でも一緒にいたけれど」
「裸でだろ?」
「だからそれってよ」
「凛の頭も身体も洗ってあげたけれど」
「有り難うね、あの時は」
 凛はここで天然なのかどうか余計なことを言った。
 
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