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レーヴァティン

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第百七話 善政が招くものその十二

「山を進んでだ」
「魔物を見付けたら退治していくんじゃな」
「一人や二人では待ち伏せ等で仕留められるが」
 実際に一人旅の者がよく狙われる、この世界では一人旅は彼等が起きている世界の過去よりも遥かに危険なのだ。
「十人二十人で具足や武器で身を固めているとな」
「それならぜよ」
「充分に戦えるからな」
「だからじゃのう」
「ここはだ」
 紀伊の魔物退治はというのだ。
「そうして魔物達を退治していく」
「それがいいぜよ」
「その際でありますが」
 峰夫も言ってきた。
「山の民達の話も聞いて」
「そしてだな」
「山道の案内を受けながら」
 そうしてというのだ。
「戦っていけばいいです」
「地の利を得るか」
「若しそれを得なければ」
 どうかともだ、峰夫は英雄に話した。
「やはりです」
「その分不利になるな」
「ですから」
「ここはだな」
「彼等の助けも借りるであります」
「よし、ではそうする」
 英雄はすぐに決断を下した、そしてだった。 
 彼は紀伊の山に軍勢を送ってそうして魔物の退治も進めた、紀伊の山は魔物が多かったがその彼等をだ。
 英雄は六万の中から自分達が率いて山に送って多くの魔物を倒していった、そうして魔物の数をかなり減らした。
 だが魔物は只の魔物達だけでなくだ、巨人も突然出たりしていた。
 英雄は今山の中に聳え立つ巨人の巨体を見て兵達に言った。
「お前達は手を出すな」
「巨人にはですか」
「決してですか」
「そうだ、強さが違う」 
 普通の魔物達よりもというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「我等はここで動かないでいて」
「それで殿がですか」
「戦われますか」
「そうする」
 自身の刀を抜いてだった、英雄は兵達に言った。そしてだった。
 英雄は跳び上がりそうして自身に拳を向けてきた巨人に対して横一閃で一撃を浴びせた。するとだった。 
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