| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と姫路城のお姫様

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三幕その二

「親しみやすいよね」
「コミカルでね」
「嫌いになれないよね」
「やたら裏切るねずみ男ですらそうだし」
「憎めないよね」
「そうだね、あの人の作品は多くてね」
 それでというのです。
「最初の頃は結構悪い妖怪も出て来るけれどね」
「それがだね」
「ああした親しみやすい感じになったのね」
「悪役のぬらりひょんも憎めないし」
「風格もあって」
「あれが日本の妖怪と言っていいね」
 まさにというのです。
「実際にね」
「そうだよね」
「泉鏡花も書いているんだね」
「日本のそうした妖怪たちを」
「そこに美や幻想も入れて」
 そうしてというのです。
「独特の作品世界にしているんだ」
「ユーモラスで憎めなくて」
「奇麗で幻想的な」
「そうした作品なのね」
「泉鏡花の世界は」
「そうなんだ、そして天守物語もだからね」
 この作品もというのです。
「研究していて楽しいよ」
「そういえばね」
 ここで言ったのはダブダブでした。
「あのお城には元々妖怪のお話があったわね」
「泉鏡花さんはその妖怪から書いたのね」
 ポリネシアも言います。
「そうなのね」
「じゃあ結構有名なんだね」
 チーチーはこう考えました。
「姫路城の妖怪のお話は」
「最近の創作のお話じゃなくて」
「昔から知られていたお話だったのね」
 チープサイドの家族もお話します。
「それで文学にもなった」
「そういうことだね」
「あのお城は凄く立派だけれど」
 今言ったのはトートーです。
「そうしたお話もあるんだね」
「ただ奇麗なだけじゃなくて妖怪のお話もあるとか」
 ホワイティの口調はしみじみとしたものになっています。
「贅沢なお城ね」
「イギリスだと幽霊のお話は付きものだよね」
「そうそう、古いお城にはね」
 オシツオサレツはイギリスのお話をします。
「それも街のお城じゃなくて」
「領主様が住む様なお城にはよくあるよね」
「ロンドン塔なんか有名だね」
 ジップは王家とも関わりの深い場所を出しました。
「幾つあるやら」
「それで日本でもお城には幽霊のお話が付きものかな」
 こう言ったのは老馬でした。
「そうなるのかな」
「だから姫路城にも妖怪のお話がある」
 ガブガブの言葉です。
「古いお城だから」
「実際日本のお城にも妖怪や幽霊のお話は多いよ」
 このことからお話する先生でした。
「中には祟りとかのお話もあるから」
「そこもイギリスと同じね」
「イギリスのお城にもそんなお話多いし」
「怨霊とかね」
「怖い妖精とかもいるから」
「それと同じで姫路城は幽霊のお話もあるんだ」
 妖怪だけでなくです。
「お菊井戸ってあってね」
「えっ、お菊っていうと」
「ひょっとしてだけれど」
「番町皿屋敷?」
「日本の怪談の」
「そうだよ、こっちでは播州皿屋敷っていうんだ」
 番町ではなくです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧